カルティエ・ボルドーの歯車修理
以前「平和島骨董まつり」で手に入れた、ジャンクのクォーツ腕時計、カルティエ・ボルドーです。文字盤の、と言っても文字は何も書かれていませんが。赤ワイン色、ボルドーでとても良いデザインです。さすがカルティエの洗練された、シンプルですがフレームと相まって素晴らしい。ぜひ復活させたい。
開けて見ると電池の液漏れで、歯車の受板側の軸が腐蝕していて動きません。
歯車の軸はスチール製で径は0.3mm。受板の軸受けはストーンで、0.1mmの穴が開けられています。この歯車軸の受板側先端部が、電池の液漏れで腐蝕して無くなっていました。
回路は電磁石も含めてテスターでチェックしてみたのですが、大丈夫そうです。ムーブメントは結構古いタイプで、電池は大きくて厚いLR41です。
さてこれをどう修理するか・・・手っ取り早くは歯車を交換してしまうのですが、古いタイプのムーブメントなので、捜したけれど見つかりません。軸その物を抜き取って交換してしまおうとも考えたのですが、軸は地板側の先端部が小径の歯車になっています。これを鋼線を加工して作るのはとても無理なので(無理ムリw)腐蝕した受板側の先端部を修復することにしました。こちらはただ単に、円筒状に突起しているだけです。
歯車の受板側の軸は1.0mm飛び出しています。さらにその先端部に、0.1mmの突起があって受板と接していました。部材として0.3mmの鋼線は、時計旋盤用のものがあります。
で、軸の径と同じ0.3mmのパイプを0.8mm径の洋白線の中心に穴を開けて作り、0.3mm径のパイプは手に入りませんので、これを歯車の軸にかぶせて、さらに0.3mm径の鋼線を差し込んで軸を継ぎ足す。軸受けの径は0.1mmなので、0.3mmの鋼線を研磨して細くする。U~n・・・大変だ、上手くいくのかなぁ・・・とにかくトライしてみます。
最初に径0.8mm洋白線に、0.3mmの極細ドリルでフライス盤を使って穴を開けます。
もともとフライス盤なので、ドリルのチャック径は大きくて8mmありました。0.3mmのドリルの軸は3mmでしたので、3mm径のミニルーターのコレットをフライス盤のチャック・コレットに取り付けて、3mm径のドリルをセットしました。
0.8mmの洋白線をフライス盤のバイスに噛ませて・・・でも、滑ってダメそうだなぁ。洋白線の断面センターにポンチを打つか、1.0mmの洋白線に代えるかした方がよさそうです。
もう少し検討する必要がありそうです。で、今日はここまで。どうなるか楽しみです。
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