腕時計分解掃除で使う油さし(オイラー)・油壺(3壺タイプ)・時計用オイル
分解掃除のとき私はオイルを使わないのですが、腕時計の修理のセオリーとしてオイルを使うので、オイルと油さし、油壷を手に入れました。
油壷(くぼみ3箇所)、オイル(粘性強弱2種)、油さし(3本)です。
油壷に3ヵ所くぼみがあるのは、異なる粘度の油を入れるためでもありますが、一ヵ所は油さしに着き過ぎた油を落とすため用です。テンプやアンクル、歯車などの軸受けには、ごくごく少量のオイルでOKです。多過ぎると油が蒸発した時グリス状になって故障の原因になります。
黄色い少しドロッとしたものと、無色透明のサラッとオイル、2種です。
シチズンやセイコーなどメーカーから出されている?(市販されているのか分かりません。)オイルは規格の番号があって、それぞれ粘性が異なっているようで、「何番は、どこの箇所に・・・」とメーカーのマニュアルで決められているようです。
私は今までは使う時、後ろの右に写っている精製度の高いスピドルオイルを溶剤で溶いて使っていました。
一番上は、0.3mmф程度の円柱のピンです。真ん中と下は、0.4mmф位のピンが中空のパイプになっていて、一本は真ん中が縦に割れていています。オイルが表面張力でピンの中に溜まるようになっています。
よく見えませんが、0.4mmфのパイプになっていて、中心部に穴が開いています。
以前はこの、ベッコウ柄のオイルツボを使っていました。
私の腕時計の修理は、動かない原因と思われる箇所を特定して、それを修理・修復する。そのような方針です。特に師匠や先生がいるわけではないので、自分で分解してその経験から取得したノウハウです修理しています。
しかしメーカーや技術者の情報を色々調べていくと、修理してその後長く稼働させるためには原因箇所の修理だけでなく、完全に分解して歯車などの部品を洗浄し、組み上げる時に必要な箇所にそこに合った質のオイルをさすことが必要だと思うようになりました。私はあくまで趣味として時計の修理をしているのですが、それでもとりあえず動けばイイというのではなく、昔からたくさんの技術者、職人が築き上げてきた技術の結晶である非常に精緻で美しい時計を、出来うる限り完全に近いものしてあげなくては・・・と、思うようになりました。カメラや万年筆もそうですが、その物の本来の機能を回復してあげることは、とても嬉しいことです。物を修理することの悦びです。
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