Feelin' Groovy 11

I have MY books.

何も間違っていない。

2006-05-05 | 村上春樹
『風の歌を聴け』で鼠が語った小説。

自分の乗っていた船が太平洋のまん中で沈没。
鼠は浮き輪につかまって星を見ながら1人っきりで夜の海を漂っている。
そこへ女が泳いでくる。
2人は世間話をする。
夜が明けると女は島がありそうな方に泳ぐという。
鼠は島は無いかもしれない、それよりここに浮かんでビールを
飲んでれば、きっと飛行機が救助に来てくれるさ、って言う。
けれども女は1人で泳いでいってしまう。
女は2日と2晩泳ぎ続けてどこかの島へたどりつく。
鼠は飛行機に救助される。

何年か後、2人は偶然会う。
女は自分が間違っていたと思うか問う。
鼠は、みんな間違ってるのさと答える。


私はこの2人について、何か間違っていたかを随分と考えた。
両方正しかった。
みんな同じ、さ。

2 Comments

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Unknown (suiminsha)
2006-05-06 02:08:13
お久しぶりです。確かに、みんな間違っているという点で、不公平に作られているという点で、みんな同じなのだと思います。でも、こういう“一般論”をぴしゃりと言うだけでなく、「靴箱の中で生きて」いくのならばそれでいいのかもしれないけれど、いみじくも「ハナレイ・ベイ」でサチがずんぐりにアドバイスしたように、話をよく聞いてやることも(実際にできるできないは別にして)大切なのだと思うようになりました。
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お久しぶりです。 (groovy)
2006-05-06 21:15:41
そうですね。

その点からいくと

鼠は努力しているのに

うまくできていないようなので

この章は「がんばれ」と応援したくなります。

大概の人は僕みたいにうまくなんかできないですよね。

でも方法を知っていて、努力することは大事ですね。



「相手の話を黙って聞いてやること」



鼠が

「はっきり言ってね、みんな間違ってるのさ。」

というところで

僕なら

「どうかな?」

と答えていただろうな。
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