早期リタイア&移住生活

早期退職し信州へ移住しました。呑んで、走って、耕して、作って、野鳥を眺めて、自然を楽しむ日常を綴ります。

「終わった人」は終わるずっと前に読むべし

2018-07-12 | 早期リタイア
遅ればせながら、話題作「終わった人」を読んでみました。
主人公は東大法学部卒のエリート、最後は不本意な地位だったけど、それでもそこそこのサラリーマン人生だった設定。もちろんちゃんと63歳まで働いて退職、65までの退職再雇用は断っただけなので、ほぼ満期まで働いたといっていいのだと思うけど、彼は「そこいらのジジババとは違う、まだ第一線で働ける」と信じている人間。その人の定年後の行動・心理を描きつつ、専業主婦だった妻が次の人生のやりがいを見つけ、実現してしまっているという対照的な展開をうまく組み合わせた小説でした。

まず、辞めた年代は違うものの、この主人公が気を付けていたことと同じことを私もやっていました。会社に行かなくてよくなると、別に朝も起きなくてもいいし、朝から酒を飲んでてもいいわけです。ただ、それをやったらただの廃人だなと思ったので、朝はサラリーマン時代と同じく5時に起き、ストレッチをし、テレビも朝ドラまでで終わり。決してそのままワイドショーを延々と見るようなことはしない。大好きなワインもランチから飲んでも誰も文句は言わないのですが、6時・・・つまり終業時間まではアルコールは我慢・・・一回だけ5時半に我慢できずに飲んだ時は「フレックスだ」と自分を正当化していまいました。

違った部分としては、この本の主人公は図書館は老人の行くところだし、散歩も老人のやることだ、と排除していたところでしょうか。しかし、一日は結構長いのは確かです。この自由な時間、最初の1週間くらいは嬉しいのですが、だんだん、この自由時間を持て余し始めます。この時間を如何にうまく活用できるかがリタイア生活を充実させるポイントになるのだと思います。さすがに小説なので、ベンチャーの顧問に迎えられたり、急死した社長を引き継いだり、という展開もあるのですが、それは普通起こらないこと、と切り捨てて読んでしまうか、うまい話のオチはそこにあったか、と反面教師とするのがいいような気がします。

最近、これからどうサラリーマン生活を送るか、または次のステージにどうシフトしていくか、を考え始めた友人には、この「終わった人」を薦めています。早期だろうが満期?だろうが、自分がリタイアした時にどう行動できるか、またはできないか、の参考になるよ、と。私自身は「終わらせた人」なのですが「終わった人」と同様、肩書がなくなった素の自分を人生の次のステージにどういう風に上げていけばいいのか、楽園生活376日目となる今日もまだ悩み中です。