窓のない部屋

2007-05-21 22:57:54 | 日記風
 エレベーターを降りたら「こんにちは」って声をかけてくる珍しく愛想のいい男がいた。その背後に2人の女性、少し若い女と年配の女性。
 ピンときた。マンション見に来たんだ。声をかけてきた愛想のいい男は案内してきた不動産屋の人でしょう。
  
 へー、てな感じ。
 
 良いマンションかと聞かれれば、人の出入りが激しいですし、事務所として使用しているのか結構夜は無人になってる部屋もあるらしいので、楽ちゃ楽ですよ。と説明してあげられるけど。今は「ここどうですか?」って聞いても、「私も越してきて間がないんで」って説明できる人あまりいないらしい。
 
 それ程何処も人の出入りが激しい。

 昔、部屋を探してた時、築30年とかって所があった。6畳一間なんだけど、昔の方が部屋の作りが広いのね。バスもWCも別々。その当時ってユニットバスの感覚の方がまずなかったんだろう。
 その6畳一間のベランダからは陽が燦燦と入るらしく、カーテン代わりに布がかけてあった。その布の色が何故か紫なの。

 紫かぁ~。だから私のそこの部屋の感想は、築30年の紫。それになった。
 けして嫌いじゃないんだけど、まあ、色々考えてそこは止めにしました。

 だって、実際私が入った際には、紫の布は取り払われて、そして私の好みのカーテンになるから・・・。なんか違うかって気がした。

 私の印象はあくまで、築30年の紫なんだから。
 
 そう言えば、友達は、バスとWCには絶対に窓が必要と言ってた。判るけど・・・1人暮らしで、バスに窓はちょっと怖いぞ。
 あの部屋もベランダに面して全面窓って言うのがちょっと気になったと言えばなたんだよな。陽が入るくらいだから、目の前に障害物がほぼない。
 
 それがちょっと怖いんだよな・・・。障害物がないってことはあちらからも見えるってことじゃない。

 普通は陽が入る。嬉しいってなるけど、1人だとそれは不安。安全本位になると、別に陽が入らなくても外から見えないことが1番。そうならざる得ないと言うか・・・。

 古い映画だと、窓から見える風景がきっかけで物語が始まるってパターンが多いですが、今時だと、窓のない部屋から起きる物語となるのかしら?
 窓があったとしても大概は障害物がほんの目の前にあって(隣りのマンションとかね)ないも同然だったりするから。
 塞がれた空間で起こる物語。そうなるのかもしれない。

 けれど、それって凄い閉塞感・・・。
 ドラマのイメージも変るわね。