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思い出してきた。
私はあの角を曲がってその場面に出会う。
まるで魔法にかかったような瞬間だ。
どこかへワープし違う時間に迷い込んだような瞬間だった。
私はあなたに出会った。
激しい夢の中に誘われた。
けれどそれもまたたく間の出来事だ。
いつしか旅行に来ていただけの私はその恋から覚める時が来る。
あれからどれくらい経ったのだろう?
もしあの角を曲がれば、またあの人がいるのだろうか。
あの魔法にかかったような夢の日々がまたやってくるのだろうか。
あの角を曲がれば…。
私はじっと立ち尽くした。
1歩出る足が固まったように動かない。
私はじっと立っている…。
なにも考えずあの角を曲がった若い頃の私の笑い声を遠くに聞きながら。