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※画像は直接ドキュメンタリーと関係がありません。
ダンサーは舞台で美しく輝く泡しか見せてはいけない。泡のなかには、血と汗と涙が浮かぶ
そんな言葉を呟くのは、ロシアの伝説的バレエダンサーで今はワガノワアカデミーの校長を務めるニコライ・ツィスカリーゼだ。
ロシアもまたバレエを世界に誇っいる。
「バレエの王子になる!“世界最高峰”ロシア・バレエ学校の青春( NHK)」が昨年放送され、その再放送を観ました。
あまり詳しいことは書けないと思います。
ここは小学生くらいの少年少女から訓練して、プロのダンサーとして育てる。
特に痩身の美を誇っているために、まだ12、3歳の少女でも痩せなさいという。
バレエダンサーは体重との闘いというけど、痩せなさいというのも凄いものだ。
今回のドキュメンタリーでは珍しく男子にスポットを当てたものだ。
4人の男子が卒業まで、ダンサーとして就職する最後の日々を追った。
1人は成績がトップで10年に1人の逸材と言われるミーシャ、成績2番のマルコ、アルバイトでモデルも務めるキリル。
そして日本人の母親を持つアロン。
何がショックって、英国育ちで父親が英国人?母が日本人のアロンは、他の生徒に比べて背が低い。
校長は、アロンに日本の音楽は「ズン!」って感じだけど、もっと上にふわりとあがる感じで…みたいなことを言うんだけど、言われてもズン!ってどんな音楽ってアロンも判らなければ、日本人の日本に住んでいる私も判らない。
アロンは日本人の血を片親から引いているだけで日本で育ったわけではない。
でも彼の母側の実家の親せきには相撲取りがいたそうだ。身体としては、スポーツ、ダンスなどに向いている。
彼の最大の持ち味はジャンプ力だ。そして努力を惜しまない。ダンサーとして背が低いことはマイナスになるけど、それを補うだけの武器を持っている。
けれど校長からすると、日本人は筋肉が堅い。静的な様式美(歌舞伎や能)そうじゃなくて、もっと感情を表に出さないとダメだという。
なるほどそう見えているわけか。
と、なんとなく日本人として勉強になることを言われていた。
変わり種としてはキリル。ロシア近隣の国の出身で、3人兄弟がいるため親からの仕送りが期待できず、休みにはモデルをして生活費を稼ぎ親への仕送りまでしている。
身長が(この当時17歳と他の生徒が20歳くらいなのに比べると若い)180センチくらいあり、手足が驚くほど長い。
こんな人もいるんだというくらいスタイルに恵まれている。
校長いわく、スタイルに恵まれても努力ができなれば、ダメだという。
努力、努力、努力。奇跡なんて起きない。
よく、努力は裏切らないというけど、そんな感じでしょうか。
たまに舞台など演じることをしている人の間で「(彼は)化ける」ということをいう人がいます。
この言葉を言う人は、(彼には)奇跡が起きて売れるみたいなことを指しているのがほどんどだと思います。(そうじゃない場合もあるかと思いますが、そうでない現実を見たことがないので私には判りません)
やっぱりそれってないのね。
あくまで努力を積み重ねた上にある成功という意味でしかない。
キリルは(彼に限らないけど)事情を抱えている。なんとなく彼は容姿もいいし、モデルをして生活費を稼げるくらいだから、ダンスのできるモデルになった方が幸せじゃないかと思う。
けれど彼もバレエ人生を歩んでいきたいという。
校長は、ここならバレエダンサーの就職先として認められるのは、ボリショイ劇場、マリンスキーバレエ団、パリのオペラ座くらいであとはバレエの裏街道と言い切る。
前に聞いたことがあるけど、パリ・オペラ座のダンサーも国家公務員で定年が42歳って言ったかな。
しっかりしたバックを持てる。
ロシアもバレエダンサーは国家公務員になるらしく、何段階かある内の1つに組み込まれている。
卒業して就職するための訓練をこのアカデミーはしていく。上の2つの劇場なら立派な公務員のダンサーになれるということなんだろうと思う。
だからロシアが母国語じゃない生徒はロシア語も必須になる。
最終的に、キリルはボリショイ劇場に就職する。他の3人もマリンスキーバレエ団に入団した……
でよかったと思うけど、それぞれダンサーとして表舞台に立つことになった。
校長も彼ら生徒には深い愛を注いでいる。立派に成功してほしいと思うから敢えて厳しいことを言う。
キリルが国家公務員の試験前日に熱を出した。そうでなくても厳しい校長へそれを言い出すことができないけど、校長は見抜く。
わざわざ彼の手をとってアカデミーの医務室に連れていく。
マドモアゼル、出番だよとキリルを医務室の彼女らに託す。
医務室のマドモアゼルは校長が大声で来たから、誰か死んだのかと思ったわと笑っている。
それだけの真剣さを愛情を注いで育て上げる。
それでも名を馳せ、成功した、いいバレエ人生だったと言えるダンサーは少ないということだろう。
今はコロナウィルスでそれぞれ劇場が閉鎖されている。
それぞれの国に帰ったり、ロシアで親戚の家に身を寄せたりしている。
ミーシャが、今年の3月頃ソロで踊れるチャンスがあったが、その前に怪我をしてしまい休みを余儀なくされていた。
意外なことに期待が大きい彼がねという成り行きだ。
が、早く1回失敗した方がいいと思う。
そうすれば、これから何をどうしていくことが最善か早くから考えられるようになる。その方が最終的にこのあとのバレエ人生は素晴らしいものになる。大きな財産を早くにもらったのだろう。本人もそれを自覚している。
これから、努力を重ねていけばみんな素晴らしいバレエ人生を歩んでいくのだと思う。
最近疑問に思っていたのですが、よく役者は小さい方がいいと言われていた。
背が低いから、背が高いことも表現できる。それ以外の表現もできると言われるのですが。
だって本場のブロードウェイは背が高いでしょう。今回の片親が日本人のアロンも背が低いから主役はできない。目の肥えたロシア人が彼が主役を演じているのを観たら眉をひそめると校長がいう。
だから卒業公演のアカデミーの名を背負う公演で、彼に王子役を任せた。これから先、彼ができる可能性は低い。他の役で魅せていくことになるだろうと考えている。
日本人は平均身長が低いから、背は低い方が得だと言われていたのはやはり日本でだけ通じる話のようだ。
素の表情はどこにでもいる若い男の子だ。
彼らはあえてバレエという道を選んだ。
彼らの鍛え抜かれた筋力は凄い。人間ここまで筋肉の力で美を表現する能力があるんだと改めて驚嘆する。
ダンスと言わず、スポーツも自分の身体を操る力に長けた者だけが残れる世界のようです。
この一見なんでもない能力もある者とない者に分かれる。
彼らはその能力を生まれつき持ちえた者なのだ。
そこへ努力だけを重ねる。そして進みたい栄光のある方へ歩んでいくことになる。
彼らにはこれから与えられる時間とチャンスは無限にある。
それをどう生かすのかだけの問題だ。
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