恩師のご著書「講演集」より
講演集、 二
出せば入る法則――原因結果の法則
先の続き・・・
私のところのご近所で、
この人は商売がきつくて、えげつなくてね。ま、
商売の上手な人がおられました。
私たちよりも年輩ですでに引退されていますけど、
この人はこちらで千円の品物を何万枚も契約するとします。
ところがこちらよりも十円か二十円高かったら、
契約違反をしてでもそちらに売るのです。
その人は「何千万円の不渡り手形をつかまされた」とか
「何千万円やられた」と、私が知っているだけで何回もやられています。
私は自分のことを話して申し訳ないのですけど、
三十年近く商売をさせてもらった間、
一回も不渡り手形を受けたことはありませんでした。
ただし一回だけあったのです。
昭和四十五年、六年当時、六百万円引っかかったのですが、
しかしその九十五パーセントは返ってきました。
「やあ、あの人は恐いよう、運が悪いのか、よく不渡りくうなあ」というのは、
本当はやはりその人の心の不幸な原因が結果として現れてくるのですね。
ですから、日々の生活で、できるだけ間違った苦しみの原因を作らないことです。
不幸になっていく原因を日々作らないこと、これが精進です。
そして幸せの種をしっかり播くこと、幸せの種、
つまり良き結果が現れる原因を常に積み重ねることです。
その時播いた種は必ず芽生えますし、また成長して実ってくれます。
胡瓜が幸せで、茄が不幸とします。
自分が不幸の種の茄を播いておいて、
実ってきた時「私は胡瓜がほしかった、茄は要らない」と怒るのでは遅いです。
自分が茄を播いたのです。
幸せ不幸せとは、それと同じようなことが言えます。
~ 感謝・合掌 ~