恩師のご著書「講演集」より
講演集、 二
恐い生き神様の話し
先の続き・・・
ところで、そのお宅の奥さんのお姉さんの家族もそこで信仰していたのです。
その姉さんのご主人は、もう退職していますが、三十五年も刑事を勤めている人なのに、
そんなこわい刑事さんでも、ころっとその神さんにやられているのですね。
そして悪魔払いをしてやるから何万円持ってこいとか、やれこの家に又悪魔が入っているから、
今度は何十万円で取ってあげるなどといって、次々とお金をまきあげられています。
そして変なものが憑いているといって、これは結局憑けられてしまったのですが、
その方が初めて私のところへ見えられた時は、二人とも地獄の底の住人みたいな顔をしていました。
自分の周りが全然見えないで、遙かに高いところにポコッと穴があいて空が見えているような、
生きながら自分の意識が地獄にいっているような有様でした。
そのお姉さんの大学四回生の子供さんも、そこにいっていたのですが、
ある日、帰ってきて言ったそうです。
「お母さん怖いで、どこの人か知らんけど、神棚で男の人の写真が心臓に釘を打たれて、
先生が殺してやるのだと言って一生懸命拝んでいる、こわいで」と。
それで今度そこにいって写真をよく見たら、なんと自分の妹の婿さんだったので、
もう地獄の底にいる心地がして、自分ながら頭がおかしくなって、
妹さんと二人で私のところにこられたのですね。
そして、今話したいきさつを聞かせてもらいました。
「あなた方は、そんなやさしい顔をしてなんと恐ろしい方たちだ。
私だったら、あなたたちのように恐ろしい人は嫁さんにようなってもらわない、
殺されてしまう」と、私は言いました。
そして「早く写真を返してもらいなさい。そんな事をしていると、その念はものを作ります。
想念はものを作って形として現れるから、そんな事をされたら、ご主人は必ず体が
悪くなりなすよ、だから早く写真を返してもらいなさい」と言ったのです。
しかし何と言っても返してくれない。
「いったん神さんにお願いしたものを中止することはできない。
お前、お金が惜しくなったのか」と言うのだそうです。
「それでは私が、返してもらえるように、ちょっとおまじないを書いてあげますから、
これを胸のポッケトに入れていってみなさい、必ず返してくれますから」と、
何時も書かせてもらっている「明かりが来れば闇が去る」と、名刺の裏に書いて差し上げたのです。
私はそのご主人とはその時まだご縁が無かったのですが、
奥さんは「お父さん、これを持っていけば返してくれるそうです」と渡し、
ご主人はおまじないの私の名刺を胸の内ポケットへ入れていったのですね。
~ 感謝・合掌 ~