恩師のご著書「講演集」より
講演集、 二
この世への執着や心の重さが成仏を妨げる
先の続き・・・
ですから、私たちは死んだ後、
嫌われるようなところには出ないようにしましょう。
死んだら生き残った人への執着を離して水臭くし、
私たちも死んだ人への思いを捨てて水臭くしたらいいのです。
私が「死んだら思いを残してはいけません。
どれほどいとおしい方でも、どれほど大事な物でも、
どんな大きな財産、地位、名誉であっても、
そんなものは一切捨てなくてはいけません。
死んだらもう心を離さなくてはいけません。
後に残った者も死んだ人の後を追ったらいけません」と言いましたら、
「先生は水臭い。
自分の大事な人を失ったことがないからそんなことが言えるのだ」と言って怒られました。
「いや、私も大事な人を亡くしました。
しかし生きている者は死んだ方から思いを離してあげて、
極楽の世界に旅立ってもらうように仕向けなくてはいけません」
そう言うと、「水臭い水臭い」と言って怒りますから、
「では、あなたは死んだ人が出てきたら喜びますか」と聞くと、
「いや、やっぱり気持ちが悪い、恐ろしくていやです」と言われます。
この世を去った時、私たちは素晴らしい世界に帰らなくてはいけません。
その素晴らしい世界に帰るには、先程から言っておりますように、
この世の一切のものから思いを離すこと、
そして自分の心の荷物を少しでも軽くすること、
それと自分の行く世界をはっきりと知っていることです。
そうすればもう迷うことはありません。
私にご縁のあった方は、亡くなったら皆きれいなお顔をしているのです。
ご縁のある方は皆、「安らかなきれいなお顔で極楽往生してくれました」
といって連絡して下さいます。
それは、その方たちが自らの心に目覚めて、光に満たされるから、
安楽往生ができるのですね。
~ 感謝・合掌 ~