恩師のご著書「講演集」より
講演集、三
子供は親に目覚めを導く
先の続き・・・
出て行く時に、下駄などを履いていってないのは分かるのですね。
それでも、表で下駄の音がしたら、帰ってきたのではないかと思って、
表に飛んで出たり、或いはかすかな足音が耳に入れば、
飛び出していったり、
或いはどこへいったか分からない子供を探して出歩いたり、
ほんとうにいろいろと苦しい悲しい体験をさせてもらったのです。
最初の間は、夜遅くでも帰ったてきたら、もう、「何をしていたのか」と、
まるで鬼みたいに叱りつけました。
「言うことを聞かないのなら、今日はもう髪の毛をつかんで引きずり回そうか」
と言いましても、それでも聞いてくれないのです。
「これだけ言っても、お前が聞いてくれず、口で言っても分からないなら、
牛や馬のように体罰によるしかない。
もし今後、こういうことをしたら、姉さんの竹刀でお尻をたたくから」と
言っても、「はい」と言うだけで、また遅く帰ってくるのですね。
約束だから、しようがないのです。
「来い」と言った時、「ごめん、今度はもうしないから」と言ってくれたら、
「今度はもうしないでくれ」と言って済むのに、「来い」と言ったら、黙って
ついて出てくるのです。
「じゃ、向こうをむけ」と言って、竹刀でお尻をパンとたたいら、「痛い」と
言って、身をちょっと庇います。
これは本能です。
私は鬼みたいな心になっていますから、もういっぺんでは止まらないで、
又その上に何回か竹刀でお尻をたたきます。
そして、「もういいから、もうお休み」と言うと、
子供の部屋は二階にありますので、まあ、泣きながら上に上がっていったのです。
「しまった、えらいことをした、お尻をたたいて、
お尻を庇った手が折れてないだろうか、お尻が切れてないだろか」と思いますと、
もうじっとしておれないのです。
また、子供の部屋へあがっていって、「けがはしていないか、指は大丈夫か」と
言って、からだを見ますと、有難いことに指も折れていません。
「もう、二度とこんな思いをさせないでほしい。
もう、こんなことは二度としたくないから」と念を押すのです。
~ 感謝・合掌 ~