恩師のご著書「講演集」より
講演集、三
子供は親に目覚めを導く
先の続き・・・
そのような生活を続けて、三年ぐらいかかりましたけれども、
だんだんと良い子になってくれました。
早く帰ってくると、自分も気持がいいですから、
「パパただいま」と、元気な声を出して言いますし、
私も「ああ、よう帰ったな」と言って、それまでの心配な状態は消えました。
お陰さまで大学に行かせてもらい、その結果、今は私の家とは格違いなほどの
結構な所へもらっていただいて、男の子を一人授かっています。
その子も一歳八カ月ぐらいになりまして、今はかわいい盛りです。
上の子は学校の先生とご縁がありまして、この子も幸せに暮らしています。
こちらも、子供が授かりまして、私は四人の孫のおじいちゃんです。
おじいちゃんと言われるのはいやですからね。
孫はみな私のことを「パパ」と言うのです。
娘たちが私のことを「パパ」と言っていますから、
そのまま孫もいっしょになって、「パパ」と言っています。
この孫たちも上の子はもう小学校です。
ほんとうに幸せいっぱいの生活をしています。
そんなつらい経験の中で、私はいろいろと考えたのです。
原因、結果の法則から見て、もし、その子供がほんとうに悪い子であれば、
今のように、人のうらやむような幸せを与えられるはずがないのです。
いい子であったから、今の幸せを頂いているのです。
では、私に対して心配や、苦しみが与えられたのは、
これは一体何であったのか、と考えていきますと、
私という愚かな人間を少しでも良き人間に目覚めさせ、
何とか私が持っている悪い癖、欠点を正そうとして、
子供として最も罪深い親不孝という罪を自ら背負って、
親の私に心配をかけることによって、私に目覚めを与えてくれたのです。
子供には何の罪もなく、悪いのは私自身だったのです。
~ 感謝・合掌 ~