浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

八正道と作善止悪

「講演集」より。

2015-07-25 00:35:00 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

          恩師のご著書「講演集」より


              講演、四


       調和された心、安らぎの心は「光」である


先の続き・・・

不調和な心、つまりいらいらしたり、腹を立てたり、愚痴を言ったり、
人を恨んだり、よく、車に追突されてムチ打ち症になる方がありますね。
この世的に見ますと、自分が前を向いて坐っている所へ、後ろから来て
当たるのですから、百パーセント当てた人が悪いと面ますが、しかし、
原因の無いところに結果が現れません。
結果が現れるということは、どんなことであっても、何らかの原因が
あるのです。

後ろから車を当てられるのも、何らかの原因があるから当てられたのです。
当てられたご本人にも原因があります。
或る方がムチ打ち症になられました。
もう強度のムチ打ちで、平衡感覚を全部やられましたから、自分一人で歩く
ことができなくて、四カ月入院していたのですが、全然治りませんので、
当てた人を、「憎い、あいつは許せない、当てられなかったら、私はこんな
えらい目に遭わなくてすんだのに」と言って、相手の方を怒り、憎しみ、
恨んでいられたのですね。

三十過ぎの男の方ですが、たまたまご縁があって、
病院から私の所へこられた時は、お母さん弟さんなど、
三人ほど付き添って見えました。
一人では全く歩けないのです。
「あなたは車を当てた人をどう思っていますか」と聞きますと、
「あんな悪い奴はいません。わたしをえらい目に遭わせやがった」と言って、
恨んでいました。

そこで、「今日、その方を心から許させてもらいなさい。心の底から許させて
もらって下さい」と言いますと、「そんなもの許せますか。私の車が前を向いて
止まっている所へ、後ろから当てたのだから、あいつが全部悪い。
そんな者を許せません。
私が百パーセント悪くない」とおっしゃるのですね。
しかし、当てられるには当てられる原因があって、結果として当てられたのです。
それを、「私が一体どんな悪いことをしたというのですか」と、怒りを
向けてこられたのです。


                ~ 感謝・合掌 ~



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