「最貧困女子」

「最貧困女子」　鈴木大介　幻冬舎新書
働く単身女性の３分の１が年収１１４万円未満。中でも１０～２０代の女性に貧困が集中しているという。そして、さらに目も当てられないような貧困でもがき、セックスワークにとりこまれる女子がいる。社会の制度から抜け落ちた、底辺で苦しむ女子たちのルポ。
内容が衝撃的でした。セックスワークを好きでしているのではと思っていましたが、そうならざる得ない状況があったとは。売春中学、親に教えてもらっていないので自分の体を壊さないように自己管理ができない、過激なセックスワークでは知的障害者が多い等。自分の大便を皿に盛って冷蔵庫に入れて彼氏が怒るか試す女の子の話は『誕生日を知らない女の子』を思いだしました。著者の「人は低所得に加えて『三つの無縁』『三つの障害』から貧困に陥る」という考察は鋭いと思います。（「三つの無縁」とは、「家族・地域・制度」からの無縁。「三つの障害」とは、精神障害・発達障害・知的障害）　著者の望んでいた最貧困女子の可視化には成功していると思います。でも、実態が辛過ぎます・・・。