ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』

2018-10-03 00:00:30 | ハリソン・フォード









 
これは久々にワクワクしながら公開を待ちました。前夜は仕事でヘロヘロだったにも関わらず熟睡ままならず、映画館に行きそびれる悪夢で何度も目が覚めた程ですw(実話)

やっぱりルーク(マーク・ハミル)、レイア(キャリー・フィッシャー)、そしてハン・ソロ(ハリソン・フォード)が活躍した『スター・ウォーズ』旧三部作の未来が描かれ、32年ぶりにその3人と再会出来る事の喜び。

そして前回書いた通り、我々と同じように旧三部作に熱狂し、同じようにガッカリもしたであろう世代の1人=J.J.エイブラムス監督が新たな創造主に就任した事で、必ずや我々が本当に見たい『スター・ウォーズ』を具現化してくれるハズ!っていう期待。

エイブラムス監督と言えば、やや迷走しつつあった『ミッション:インポッシブル(スパイ大作戦)』シリーズや『スタートレック(宇宙大作戦)』シリーズを見事に軌道修正し、スピルバーグ監督にオマージュを捧げた『スーパー8』では本物のスピルバーグ以上にスピルバーグらしい演出を見せてくれた人です。

そう言うとただリメイクやモノマネが上手いだけのクリエーターみたいだけど、もしそうだったら喜ぶのはマニア層だけで、あんなに作品が軒並みヒットする事はあり得ません。面白い映画を創る才能がある上に、モノマネも上手いクリエーターなワケです。

実は! 誰も気づいてないでしょうけど私はハリソン・フォードのファンでして、ハリソンの全盛期に様々な映画雑誌に掲載されたインタビュー記事をファイルにまとめてあるんだけど、その中に無名時代のエイブラムス監督がハリソンにインタビューした珍しい記事があったりします。

当時は「ジェフリー・エイブラムス」の名前で脚本家をされており、マイク・ニコルズ監督作品『心の旅』(’91)の脚本を担当して主演のハリソンと親しくなり、なぜかインタビューの仕事を任されたワケです。

だけど本職とは違うインタビュー業の勝手が分からず、困ったエイちゃんは無作為に選んだ50名の一般人にいきなり電話して「ハリソン・フォードに何を尋ねたい?」と質問、その回答をハリソンの自宅に持ち込んでインタビューするんですね。

そうやってファンの目線に立ち、ファンの気持ちを代弁する事が自然に出来ちゃう人なんです。だから『スター・ウォーズ』新シリーズも、きっとファンを喜ばせる事を最優先に創ってくれるって、私は確信してました。

ちなみにそのインタビュー記事は、最後にハリソンが「君は次回作の脚本を書けるのか?(オファーはあるのか?)」って、逆質問してエイちゃんを撃沈させちゃうというw、ユニークなやり取りで締めくくられてます。

当時、そんな心配をされるほど駆け出し者だったエイちゃんが、今や『スター・ウォーズ』の製作・脚本・監督を任され、ハリソンに演技指導してるワケですから、両者とも感慨深いものがあるんじゃないでしょうか。

さて、実際に観た『フォースの覚醒』は、期待を裏切らない内容でした。人によって『スター・ウォーズ』への想いはそれぞれ違うでしょうから、賛否両論に岐れるかも知れないけど、少なくとも私は大満足です。

特にやっぱり、ミレニアム・ファルコン号やハン・ソロ&チューバッカが、初めて画面に映った瞬間には本当に涙が溢れました。いずれも意表を突いた登場のさせ方で、さすがはエイちゃん、ツボを心得てます。

新キャラクターもみんな魅力的だけど、ただジョージ・ルーカス特有の緩さや寒いギャグが無くなったのは、これまた好みが岐れるところかも知れません。(私はちょっと寂しかった)

でも、行方不明になったルークを探すという、シンプルでありながら全ての『スター・ウォーズ』ファンが気にせずにいられないテーマを柱に置いたのは、やっぱりさすがとしか言いようありません。

そして、何より私が(そして多くのファンが)嬉しかったのは、ハン・ソロが予想を超えて大活躍してくれた事です。今回は「ハン・ソロの回」と言っても過言じゃない位、重要な役割をハリソンが担ってました。

以下、ネタばらしはしないけど、『スター・ウォーズ』をよく知る人なら展開が予想出来ちゃう事を書きますので、ファンで未見の方は読まないで下さいm(_ _)m




ハン・ソロの出番が予想を遥かに超えて多い事には、重大な意味があります。映画を観ながら、私はハリソンの大活躍に眼を細めると同時に、お馴染みのセリフ「イヤな予感がするぜ」を心中で呟いてました。

ダース・ベイダーがルークに「ボクがキミのパパなんだ」と告白すること以上にショッキングな出来事が、クライマックスに待ち構えてる事を、ファンであればあるほど予想出来ちゃうワケです。

たぶん、ハリソンが出演すると判った時点で覚悟を決めたファンも、少なくないんじゃないでしょうか? 私自身はと言えば、ハリソンはゲスト出演に過ぎないと勝手に思い込んでたもんで、本編を観ながら「うわっ……こ、これはヤバい」ってw

だから、観終わって物凄く複雑な気分です。世界中で何十万、何千万人という観客が、同じように複雑な気分を味わってる事でしょう。

それもひっくるめて、エイブラムス監督は見事に『スター・ウォーズ』を再生してくれたと私は思います。今後の展開も楽しみです!
 
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『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』

2018-10-02 20:00:06 | ハリソン・フォード









 
ジョージ・ルーカス製作総指揮&リチャード・マーカンド監督によるエピソード6『ジェダイの帰還』は1983年に公開されました。

「史上、最も公開が待ち望まれた映画」と云われる本作、当時高校生だった私自身もワクワクしながら公開を待ちました。

実は、この時点で私は『帝国の逆襲』(’80年公開)をまだ観てませんでしたw 何しろ本格的に『スター・ウォーズ』にハマったのは’82年の『新たなる希望』リバイバル公開からなんです。

当時はまだテレビ放映もされず、レンタルビデオ店も無かったですから、ノベライズ本で『帝国の逆襲』を学習した上で『ジェダイの帰還(当時の邦題はジェダイの復讐)』に臨んだワケです。

しかも、ノベライズを読む前に親切なクラスメートから「ダース・ベイダーってルークの父親なんやで!」と教わったというw、かなり残念な『スター・ウォーズ』ファンだったりする私です。

なので、今度こそ前情報をシャットアウトして劇場で驚くぞ!ってな想いが人一倍強かったです。ハードワーク続きでヘロヘロなのに朝一から新作『フォースの覚醒』を観に行ったのも、アホなメディアがネタばらしする前に早く観なくちゃ!って思ったから。

『スター・ウォーズ』信者の熱狂って、そういう側面もかなり大きいですよね。だから本国じゃ1ヵ月も前から劇場前に並ぶ猛者まで現れちゃうワケです。

で、『ジェダイの帰還』の本編で明かされた驚愕の真実は、レイア姫(キャリー・フィッシャー)がルーク(マーク・ハミル)の双子の妹だったという、前回のネタ(ダース・ベイダー=ルークのパパ)に比べるといささかインパクトに欠けるものでしたw

ただし、それはレイアもジェダイの血を引いてる事を意味し、結果的に次作『フォースの覚醒』へと繋がる重要な伏線になってたりはします。

その件も含めて『ジェダイの帰還』のストーリーは、完全にダース・ベイダー&ルークのジェダイ父子に焦点が絞られ、ハン・ソロ船長(ハリソン・フォード)には見せ場がほとんどありませんでした。

氷漬けにされたハンが救出されるファーストバトルでは、一人前のジェダイに成長したルークがやたら格好良く立ち回る一方で、眼が見えない状態のハンはもはやコメディーリリーフ化してました。

更に、デス・スター総攻撃作戦では愛機=ミレニアム・ファルコン号を悪友のランド・カルリシアン(ビリー・ディー・ウイリアムズ)に託し、自身はデス・スターの防御シールド破壊チームの指揮を任され、テディベアみたいなイウォーク族に助けてもらいながら任務を遂行するという、宇宙海賊らしからぬ地道な働きぶり。

要するに、我々ファンが見たいハン・ソロのハン・ソロらしい活躍を、ルーカス氏は明らかに「わざと外した」としか思えないワケです。

たぶんハリソン・フォードという俳優を見くびってたルーカス氏は、前作『帝国の逆襲』でハン・ソロに見せ場を与え過ぎて主役のルークが食われちゃった事を、かなり後悔してたんじゃないでしょうか?

ハン・ソロだけじゃなく、彼の首を狙う賞金稼ぎの1人=ボバ・フェットもなぜかマニア間で人気を集め(私にはその魅力がサッパリ解らないけど)『ジェダイの帰還』での活躍が注目されてたのに、ルーカス氏は必要以上にあっけなく、間抜けな死に様をボバ・フェットに与えてました。

『エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督もそうだけど、自分が意図した以外の部分でファンがやたら盛り上がると、わざと期待を裏切ってやりたくなる心理が、人気作の創造主には有るのかも知れません。

私が新作『フォースの覚醒』にやたらワクワクしたのは、そんなルーカス氏の意地悪に弄ばれ、さんざん切ない想いをしたであろう『スター・ウォーズ』世代の1人(J.J.エイブラムス監督)が、新たな創造主に就任したからです。

つまり「こんなハン・ソロの活躍が見たかった!」っていう我々の想いを、きっと叶えてくれるだろうと思ったワケです。さて、その結果は…… 次回書きますw

とにかく『ジェダイの帰還』におけるハン・ソロは、精彩に欠けてました。演じるハリソン自身がまた、いつになくメタボな感じでルックスが劣化しちゃってるんですよね。

三部作の完結編でハン・ソロを殉死させて欲しいっていう希望も却下され、モチベーションが下がったであろうハリソンは、エクササイズにも身が入らなかったのかも知れません。

息子=ルークにダークサイドから救われたダース・ベイダーが、その死をもってジェダイに帰還するストーリー自体は良かったものの、ファンにとっては(特にハン・ソロ支持者には)少なからず不満の残る完結編でした。だからこそ、この続きが観たくて観たくて仕方なかったワケです。

まぁ随分と待たされたもんだけど(実に32年!)年月が経ったお陰で創造主がバトンタッチされ、ハリソンの『スター・ウォーズ』アレルギーも治まった、今のタイミングで新作がスタートしたのは、まさにフォースのお導きと言えましょう。

さぁ、いよいよ『フォースの覚醒』です!
 
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『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』

2018-10-02 12:35:22 | ハリソン・フォード









 
ジョージ・ルーカス製作総指揮&アービン・カーシュナー監督によるエピソード5『帝国の逆襲』は1980年に公開され、メガヒット記録と共に批評的にも大成功を収め、いよいよ『スター・ウォーズ』シリーズを神格化させる引き金となりました。

また、ハリソン・フォードを一気にトップスターの座に押し上げたのも『帝国の逆襲』です。

前作で注目されてから『ナバロンの嵐』『ハノーバーストリート』『フリスコ・キッド』といった作品に主演するもパッとせず、下手すれば一発屋で終わってたかも知れないハリソンが、本作を皮切りに『インディアナ・ジョーンズ』シリーズ等の大ヒット作を連発していくワケです。

確かに『帝国の逆襲』は、ハリソンの魅力が爆発してます。コミックヒーローにリアルな人間味を与えるハリソンの才能が、ハン・ソロ船長をより魅力的なキャラクターに進化させ、主役のルーク(マーク・ハミル)を完全に食っちゃいました。

帝国軍の逆襲に苦しめられる中、ルークはジェダイ・マスター=ヨーダの下でフォースの修行を積み、ハン・ソロはレイア姫(キャリー・フィッシャー)との愛を育みます。

どっちのドラマも面白いんだけど、ここでハリソンの底力が発揮されちゃう。いわゆる「役者が違う」ってヤツです。ルーカス氏はハリソンの力量を見くびってたのかも知れません。

本作の次にルーカス氏は『インディアナ・ジョーンズ』シリーズを立ち上げるワケだけど、主役に予定してたトム・セレックがキャンセルになって途方に暮れてたら、スピルバーグ監督が『帝国の逆襲』のラッシュフィルムを観て「おいおい、此処に適役がいるじゃないか」って、これも有名な裏話です。

ビジュアルセンスに長けたクリエーターが、役者の選択や操縦はあまり上手じゃないってのもよくある話で、本作や『インディ』シリーズが成功したのも、ルーカス氏が製作総指揮に回って監督を他者に委ねたのが、かえって功を奏したかも知れません。それは新作『フォースの覚醒』にも言える事です。

それはともかく、帝国の罠に嵌まったハン・ソロが氷漬けにされ、ルークが悪の権化=ダース・ベイダーから「僕が君のパパだよ」ってコクられちゃう衝撃のクライマックス。

そんな最悪の状態のまま「続きはまた次回(3年後)」ってw、思いっきり観客を突き放しちゃう前代未聞の締め括り方も含めて、シリーズ中で最も起伏とサプライズに富んだ傑作が『帝国の逆襲』ってワケです。
 
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『スター・ウォーズ/新たなる希望』

2018-10-02 05:30:35 | ハリソン・フォード









 
2015年末、10年ぶりに『スター・ウォーズ』の新作『フォースの覚醒』(エピソード7)が公開されました。世間はお祭り騒ぎで、ブームに乗っかるのは好きじゃない私だけど、こればっかりは乗らずにいられませんでした。

いや、ブームなんかどーでもよくて、とにかく旧三部作の主役たち(ルーク、レイア、ハン)とまた再会出来るのが、本当に嬉しくて嬉しくてたまんなかったワケです。

旧三部作にハマらなかった人から見れば、もはや宗教的とも言える『スター・ウォーズ』ブームは全く理解出来ないんじゃないでしょうか? それは今の若い人が『太陽にほえろ!』を観ても、何が面白くて何が凄いのか理解出来ないのと、全く同じ事だろうと思います。

やっぱり、初めて出逢った時のインパクトがまるで違うワケです。初めて美味しいと感じた食べ物や、初めて好きになった異性が、自分にとって一生スペシャルな存在であり続けるのと同じ事です。『太陽にほえろ!』が全く新しい刑事ドラマのスタイルを開拓したように、『スター・ウォーズ』もそれまでに無かった映画体験を我々に与えてくれたワケです。

それを最初に体感した世代と、そのスタイルが知れ渡った後の世代とでは、そりゃあ感じ方がまるで違っちゃいます。作品として面白いかどうかじゃなく、インパクトの問題です。

加えて『スター・ウォーズ』のストーリーには実際に宗教的な要素がありますから、その熱狂的ファンは文字通りの「信者」になっちゃってる。『スター・ウォーズ』に依存する人生を送ってるワケです。

私自身は、それほどの信者ではありません。私にとって『スター・ウォーズ』が特別なのは「ハリソン・フォードの出世作」っていう側面があるから。なので、ハリソンが登場しないプリクエール三部作(エピソード1~3)にはさほど思い入れがありません。

その点、新作ではハリソンが活躍したエピソード4~6の続きが観られるワケで、まぁ新世代にバトンを渡す展開になるのは仕方ないとしても、やっぱりハン・ソロと相棒チューバッカの2ショットや、愛機ミレニアム・ファルコン号の勇姿をCMで観るたび、私は乳首湧き肉棒踊りました。

全盛期のハリソンは『スター・ウォーズ』に全然思い入れが無いって言ってたけれど、それもショーケンさんや優作さんが『太陽にほえろ!』の悪口ばっか言ってたのと同じで、あまりに大き過ぎる出世作のイメージに縛られたくない想いの裏に、愛着と感謝の気持ちもあったに違いありません。

その証拠に、新作の映像を断片的に観ただけでも、ハン・ソロを演じるハリソンは実に楽しそうです。やっぱり、ハリソン・フォードはアクションヒーローを演じる為に生まれて来た人なんだって、つくづく思いました。

さて、今回のお題はジョージ・ルーカス監督による1977年度作品『スター・ウォーズ(エピソード4/新たなる希望)』ですが、その内容に関しては今更ここで語る必要は無いでしょう。

ハリソン1人に話題を絞ったとしても、彼が俳優業を半ば諦めてフランシス・フォード・コッポラ監督のオフィスで大工仕事をしてたら、たまたま其処でルーカス監督が『スター・ウォーズ』のオーディションをしてて……なんていう裏話すら、映画ファンなら誰もが知ってるレジェンドになってますから。

なので、私個人の『スター・ウォーズ』との関わりだけ記しておきます。本作が日本で公開されたのは1978年ですが、既にその前年からアメリカ本国における大旋風が話題になってました。

私の父もSF映画好きだったもんで、親子で大阪・上本町の映画館へ観に行きました。けれども、実のところ当時の私にはいまいちピンと来ませんでした。

同時期に公開されたスティーブン・スピルバーグ監督作品『未知との遭遇』の方が強く印象に残ったのは、父の影響かも知れません。私自身にはまだ映画の面白さを計る感性が無く、父のリアクションを見て判断してたような気がします。(実際『未知との遭遇』も素晴らしい作品だけど)

私が『スター・ウォーズ』にハマったのは’82年、日本語版としてリバイバル公開された時です。当時の私は高校生で、映画の楽しみ方がようやく解って来た時期でした。

清廉潔白な主人公=ルーク(マーク・ハミル)に感情移入した子供時代とは違い、不良で皮肉屋の密輸船キャプテン=ハン・ソロ(ハリソン・フォード)に眼を奪われちゃうワケです。

ちなみに、その『日本語版』でハン・ソロの声をあてたのは森本レオさん。(ルークが奥田瑛二さん、レイア姫が森田理恵さん) ルーカス監督が自ら選出しただけあって、実に的確で魅力的なキャスティングでした。

その後、テレビ初放映時に松崎しげるさんがハン・ソロの声をあてたバージョンを観て、とてつもなく失望し激怒したのは言うまでもありません。あれは本当に酷い代物でした。

それはともかく、子供時代には解らなかった画期的なイマジネーションと特撮技術による世界観、SFなのにやたら人間臭い活劇ストーリー、そしてハリソン・フォードの魅力が、私を決定的に映画ファンたらしめた次第です。

そんなワケで、このエピソード4を起点とする『スター・ウォーズ』旧三部作は、私にとっても永遠にスペシャルな作品で、その続きを描いた『フォースの覚醒』を観るまでは死んでも死にきれないと、そんな想いで公開を待ちわびてた次第です。
 
 
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『エアフォース・ワン』

2018-10-02 00:00:12 | ハリソン・フォード










 
人気面だけで言えば、’80年代後半から’90年代前半がハリソン・フォードの絶頂期でした。

特に『逃亡者』が公開された1993年あたりは日本のCMにも引っ張りだこで、携帯電話のCMでは上司から「ハリソン君」と呼ばれる日本のサラリーマンを演じ、話題になりました。

その人気に翳りが見え始めたのは、オードリー・ヘップバーンの名作をリメイクした『サブリナ』(’95)と、ブラッド・ピットと共演した『デビル』(’96)という2本の話題作が続けて(興行的に)パッとしなかった’90年代半ばだったように思います。

この2本は、内容的にもちょっとバランスが良くなかった印象があります。それらの作品を観て私が感じたのは、ハリソンがあまりに大物スターになり過ぎた事による弊害です。

『サブリナ』のオリジナル版は、オードリーにハンフリー・ボガードとウィリアム・ホールデンという豪華3大スター競演が魅力のラブコメディでした。

それがリメイク版の場合、ハリソン以外はジュリア・オーモンドとグレッグ・キニアという、実力はあるけど知名度と華が無いキャストになっちゃった。これじゃ『サブリナ』をリメイクする意味がありません。

製作陣は、まず最初にハリソンの出演を確保したそうです。ここからは私の憶測ですが、ハリソンのギャラが高額になり過ぎてしまった為に、同等のスターをキャスティングするのは無理だったのかも知れません。

で、そうなると「ハリソン・フォード主演作」として売らねばならず、ストーリーもハリソンが中心になるよう変えて行かざるを得ない。その結果、本来のバランスとは違った『サブリナ』になっちゃったんでしょう。

『デビル』はブラピが以前から温めてた企画で、彼が共演相手にハリソンを熱望し、それが実現したというのに2人の不仲説が流れちゃいました。その原因は、ハリソンの要望に合わせて脚本が大幅に書き変えられ、ブラピがヘソを曲げたから……というもっぱらの噂です。

再びここから私の憶測ですが、大御所ハリソンの要望を優先する製作陣が、ブラピの意見を聞かないまま勝手に脚本を直してしまったんじゃないでしょうか。ブラピが本当に怒ったんだとしたら、理由はそれしか考えられません。

ハリソンは決して、ワガママを言って現場を混乱させるような人じゃありません。マニア気質の私ですから、ハリソンに関するあらゆる記事を読んで来ましたけど、そのテの悪評はほとんど皆無でした。

だから多分、周りがハリソンに気を遣い過ぎて余計な手を回した結果、作品のバランスを崩してしまったんじゃないかと私は推察します。大御所になり過ぎたがゆえの弊害です。

唯一、ハリソンの強権ぶりが話題になったのは、『エアフォース・ワン』の公開時期が『タイタニック』と被る事になった際、ハリソンがパラマウントの社長に電話して「You、公開時期をズラしちゃいなよ!」って提言した時だけw

別に上から目線で命令したワケじゃなくて、関係者の1人として至極まっとうな提案をしただけと思うんだけど、マスコミは「大統領並みのパワーだ!」ってw、面白おかしく報じてました。

そう、あの当時のハリソンは確かに、ハリウッド映画界で「大統領並みのパワー」を持つ存在でした。だからってワケじゃないでしょうけど、1997年に公開された『エアフォース・ワン』でハリソンはついに、米国大統領を演じる事になります。

本作はアメリカでメガヒットを記録し、結果的にハリソン・フォード絶頂期の最後を飾る作品となりました。行くとこまで行っちゃったんですよね。大方のファンは、これでお腹いっぱいになっちゃったのかも知れません。

大統領専用の飛行機「エアフォース・ワン」がロシア系のテロ集団にハイジャックされ、ハリソン扮するジェームズ・マーシャル大統領が自ら上空で『ダイ・ハード』しちゃうという、究極のアメリカン・エンターテイメント。

テロリストのリーダーにゲイリー・オールドマン、副大統領にグレン・クローズが扮するほか、ウェンディ・クルーソン、リーゼル・マシューズ、ウィリアム・H・メイシー、ユルゲン・プロホノフら豪華キャストが揃い、これならバランスはバッチリです。

誠実で正義感に溢れ、家族をこよなく愛する理想的な大統領像は、まさにファンがハリソンに求めるヒーロー像そのもの。対するゲイリー・オールドマンもアクの強い悪役は十八番中の十八番ですから、これは100%ファンサービス、究極のアイドル映画と言えるんじゃないでしょうか。

それもその筈、監督のウォルフガング・ペーターゼンは『Uボート』『ネバーエンディング・ストーリー』等で知られるドイツ人監督なんだけど、大のハリウッド映画ファン、そしてハリウッドスターのファンでもあるんですね。

それでクリント・イーストウッドがアメリカ大統領を護衛する『ザ・シークレット・サービス』やダスティン・ホフマン主演『アウトブレイク』の監督を引き受け、今回またも大統領モノって事で断りたかったのに、ハリソン・フォード主演と聞いてやらないワケに行かなくなっちゃった。

だから「ファンが見たいハリソン・フォード」を人一倍よく解ってらっしゃる。ゲイリー・オールドマンに関しても然りで、ドイツ人監督だからこそ、こんなにもストレートなスター映画かつ「アメリカ万歳!」な映画を、てらう事なく創れたんじゃないでしょうか。

そして更に、3人目のハリウッドスター=グレン・クローズ扮する女性副大統領がまた、めちゃくちゃカッコイイんですよね。『危険な情事』でマイケル・ダグラスをとことん追い詰めるストーカー女を演じた、あの女優さんです。

あまりの「アメリカ万歳!」ぶりに拒否反応を示す方もおられましょうが、そんな真面目に観る映画じゃありませんw これは根っからのハリウッド映画ファンによる究極のアイドル映画ですから、スターの魅力をとことん味わえばそれで良いのだと、私は思います。

そもそも、大統領がテロリスト達と殴り合うお話ですからねw だけど幾多ある『ダイ・ハード』の亜流アクション映画の中じゃ、間違いなくトップレベルの出来映えです。観て損は絶対にありません。
 
 

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