交通課の特殊チーム=高速警察隊、通称「アラーム・フォー・コブラ11」に所属する2人の刑事が、スペシャル仕様のパトカーを猛スピードでかっ飛ばし、凶悪犯を捕まえまくる痛快アクションドラマ!
毎回必ずカーアクション、それもハリウッド映画にも負けないド派手なチェイスを市街地のど真ん中で繰り広げ、ベンツやBMWが次々にクラッシュ! ついでに主役の刑事たちも次々に殉職!
こんな凄い連ドラが日本にあったの!? 外車ばっかり出てくるし、俳優さんのルックスもめちゃくちゃ日本人離れしてる!! と思ってよく見たら、これはドイツの番組なのでしたw
1996年から続いてるドイツRTLとアクション・コンセプト社の制作による連続ドラマで、日本における放映タイトルは『アウトバーン・コップ』。その原題が『アラーム・フォー・コブラ11』なんだそうです。
ところがDVDタイトルは『マキシマムスピード』や『ワイルド・ランナー』等とシーズン毎に変わってて、シーズン11になってようやく原題と同じ『アラーム・フォー・コブラ11』に定着。
本ブログの読者さんに「ドイツ版西部警察+あぶない刑事だから是非!」と鑑賞を勧められたタイトルが『アラーム~』だったもんで、最初の2話を観るつもりで借りたDVDはシーズン11の第1巻でした。
過去のシリーズと比べると内容がぐっとシリアスになったらしく、西部警察+あぶない刑事というよりはハリウッド映画『リーサル・ウェポン』のドイツ版といった趣。実は私にとってポリス・アクション物の究極の理想型が『リーサル・ウェポン』なもんで、かえって良かったかも知れません。もちろん西部警察やあぶデカのノーテンキな世界観も好きなんだけど。
特に第2話は新メンバー=クリス(ゲデオン・ブルクハルト)の過去にまつわるエピソードで、かつて潜入捜査官だった彼を裏切り、敵に寝返った挙げ句に死んだ筈の相棒刑事が実は生きてたことが判り、復讐に燃えるクリスが暴走しちゃうというハードなお話。もちろん普段にも増して派手なカーチェイス&クラッシュが展開します。
これですよ。これが本当の刑事ドラマですよ!
何度でも同じこと書きますけど、ただ突っ立って謎解きするだけなら探偵でも家政婦でも出来ちゃうワケです。だけど市街地を猛スピードで爆走し、拳銃をぶっ放し、悪党をぶん殴って成敗できるのは、警察官だけなんです。それをやらずして何の為の刑事ドラマなの?ってことです。
ほんの20数年前までは、日本でもこんな刑事ドラマがいっぱい創られてたワケです。このドイツ作品と比べりゃショボいアクションかも知れないけど、スピリットの熱さじゃ負けてませんでした。
それが何ですか今は? ただ突っ立ってひたすら会話して、カーチェイスどころか犯人を追って走ることもせず、凶悪犯相手でも暴力はご法度で、汗もかかずに「おやおや、いけませんねえ」とか言いながら説教を垂れるのが関の山、みたいな番組が刑事ドラマの代表格になっちゃってる。
情けない……心底、情けない! 破滅です。
そんなに日本のドラマが気に食わないなら海外ドラマだけ観てろよ、ってな声も聞こえて来そうだけど、いやいや、私は日本人が創って日本の俳優さんが演じるポリスアクションが観たいんです。
もはや時代が変わった、日本ではもう絶対無理なんだって事なら諦めるしかないけど、たまに『CRISIS/公安機動捜査隊特捜班』みたいな本格アクションドラマも突発的に現れますから、実は本気で取り組めば出来なくもないワケです。出来るのに、日本のテレビ局やスポンサーはリスクを避けることしか考えないから、やらない。やらせない。私はそこが悔しくて仕方がない。
作りは粗くても、リアルじゃなくても、日本の創り手たちがリスクを恐れずアクションドラマを量産した、'70年代~'80年代に私は青春期を過ごしてしまったもんだから、どうしても諦めがつかないワケです。
『アラーム・フォー・コブラ11』は本当に凄いです。面白いです。けど、日本産でない限り、私がハマることはあり得ません。凄ければ凄いほど、観ても悔しくなるだけなんですよね。
セクシーショットはたぶん番組とは縁もゆかりもないドイツの娘さんですw