2020年秋シーズン、NHK総合の金曜夜10時「ドラマ10」枠でスタートした、NHKエンタープライズ&東宝の制作による全7話のサスペンスコメディー。
大手法律事務所をクビになったばかりの元弁護士=白沢真実(浜辺美波)が、経営コンサルタントを装う狡猾な詐欺師=黒岩賢介(岡田将生)と手を組み、悪事を働きながら罰せられず平然と生きてる卑劣な悪党どもに、被害者に代わって復讐を執行していきます。
令和版『ザ・ハングマン』の趣でストーリー自体はありがちなれど、頭はいいのに要領が悪い元弁護士と、悪知恵だけはよく働く詐欺師っていう組み合わせの妙で笑わせてくれます。
飄々として口の悪いキャラクターを演じる浜辺美波さんは、同じNHK&東宝の作品で同じ脚本家(蒔田光治さん)が書かれたドラマ『ピュア!/一日アイドル署長の事件簿』における性悪アイドル=黒薔薇純子を彷彿させ、相棒と常にマウントを取り合いしてる感じもよく似てます。
もしかすると本来『ピュア!』の続編をやるつもりが、相棒役の東出昌大くんがあんな事になっちゃったので、その代替えとして生まれた企画なのかも知れません。
いやしかし、相棒役を代えて『ピュア!』を続けることも出来た筈だから、黒薔薇純子のキャラがあまりに強烈すぎて浜辺さん(の所属事務所)側から「ちょっと今は大事な時期なので……」みたいなダメ出しがあったりしたのかも? 今回の白沢真実はまさに「黒薔薇純子のマイルド版」といった趣です。
猛毒を撒き散らす黒薔薇純子が可愛く見えたのは浜辺さんが演じればこそで、彼女にしか出来ない当たり役だと思うし、単純に私自身が毒のあるキャラを好む傾向もあり、白沢真実ではちょっと物足りなく感じちゃうのが正直なところ。いっそ全然違うキャラにしてもらった方が素直に楽しめたかも知れません。
いや、それだけ黒薔薇=浜辺さんのキャラが魅力的だったと言いたいだけで、決して作品としてこちらが劣ってるワケじゃありません。むしろ謎解きメインの『ピュア!』よりも、毒でもって毒を制する復讐劇『タリオ』の方が内容的には圧倒的に私好みです。
陰湿さはカケラも無くカラッとしてるし、テンポも良くて非常に観易い作品。週末のリラックスタイムに観るには持ってこいだし、とりあえず黒薔薇さんのことは忘れて、これはこれで楽しみたいと思います。
ちなみに第1話で復讐のターゲットとなったのは、自ら犯したレイプ事件を親の金と権力で揉み消した、大手ゼネコン会社の御曹司。演じたのは『セイザーX』のケインにして『わたしを離さないで』のモトムでもある、三浦涼介くん。
観てる時は気づかなかったんだけど、その父親を演じられたのが懐かしの三浦浩一さん。実の親子共演だったんですね。
わたし的にセンスの塊でビックリしました!
寒くない!
あの流れが寒くない!
NHKの力量に感激しました!
主演の女優さんメチャメチャセンスがありますね!
ハマりましたww
おっしゃる通り浜辺美波さんのコメディーセンスに支えられてる側面も多々ありますよね。もし『デカワンコ』を多部ちゃん以外の人が演じたら絶対寒かったのに匹敵するほど、思いきった演技がサマになる稀有な女優さんだと思います。