☆第13話『マイ・シュガー・ベイブ』
(1980.13.30.OA/脚本=勝新太郎&高際和雄/監督=勝新太郎)
今宿署のガッツ警視こと賀津(勝 新太郎)の同期生で警察幹部だった大沢(佐藤 慶)が自宅の浴室で溺死し、その日たまたま大沢宅を訪ねていた、やはり同期生の新城警視正(小池朝雄)が「事件性はない」と証言したことにより、その案件は事故死として処理されます。
ところが、モデルで高級コールガールでもある梨乃(かたせ梨乃)が、大沢と新城の知られざる関係を賀津に密告して来ます。
梨乃は新城に呼び出されたラブホテルで、大金をやり取りする二人の姿を目撃していた。どうやら彼らは汚職で繋がっており、その発覚を恐れた新城が事故に見せかけて大沢を殺したに違いない。
そこで正義感溢れる賀津は梨乃と手を組み、新城から1千万円をゆすり取って2人で山分けしようと画策するのでしたw
結局、賀津が手をナイフで貫かれながら「俺が捕まえたいのはお前じゃない、お前にこんな事をやらせてるヤツらなんだ」と言って見逃してやった、新城の用心棒(安岡力也)が、賀津を救うために雇い主を射殺して事件はジ・エンド。賀津が本気で1千万をゆすり取るつもりだったか否かは不明だけど、それだけが目的じゃなかったのは確かなようです。
予定外の1クール打ち切りで、これは最終回の為に用意されたストーリーじゃないのかも知れないけど、勝新さんが本来やりたかったのは、こういうハードボイルドに徹した話だったんじゃないかと思います。
前回レビューした親子愛の話 (#11) について、私は「これを撮る為に勝新さんはこの仕事を引き受けたのかも?」って書きましたけど、思えばアレは主役の刑事と犯人の心情がもろにリンクするという、勝新さんが一番避けたかった筈の『太陽にほえろ!』式王道ストーリーですから、実は本意じゃなかったのかも?って気もします。
けど、いずれにせよ両方すこぶる面白くて見応えありましたから、勝新太郎という俳優、そして監督の実力は間違いなくホンモノだと、私はあらためて確信しました。素晴らしい! そりゃ多少はヤンチャでも許すしかありませんw
ところで、前回のレビューで中村玉緒さん扮する賀津の元妻=玉美が「金持ちの男とくっついた」って書いちゃいましたけど、誤解だったみたいです>.<
この最終回では実業家として忙しく働く玉美の姿が描かれており、どうやら彼女は立派に自立したキャリアウーマン。なるほど、そういうことなら演じる玉緒さんも納得でしょう。
説明的なセリフや描写は全て排除する!っていうクリエイティブな姿勢はホント素晴らしいんだけど、こういう誤解を生んじゃうリスクもあるんですよね。決して私の理解力が乏しいせいじゃありませんw
で、あれから玉美は賀津のキャンピングカーに出入りするようになったらしく、ラストシーンでは彼女と正美(奥村真粧美)に目玉焼きを料理してやる賀津の姿が描かれ、寄りを戻すであろう近い未来が暗示されてます。
めでたしめでたし、ですね。前回の切なさがあればこそ、じんわりとハッピーな気持ちになれる、見事なシリーズ構成だと思います。本来ならもっと回数をかけて、じっくり描きたかったのかも知れないけど。
なお今回、サイドストーリーって程じゃないけど、賀津の子分である「ピピ」こと水口刑事(水口晴幸)が正美にプロポーズすべく、「殴らないで下さい」と前置きしてから親分に許しを乞う場面も見られました。
もちろん、賀津は「お前ならいいよ」と笑いながら本気のパンチを浴びせますw こんな人を「お父さん」って呼ぼうとするんだから、ピピもなかなかクレイジーな男ですw がんばれ!
今回も中村玉緒さん、小池朝雄さんを筆頭に、かたせ梨乃さん、佐藤慶さん、安岡力也さんと豪華な顔ぶれ。初回のメインゲストだった石橋蓮司さんもワンカットだけカメオ出演されてます。(ズラを被ると井浦新さんに激似!)
セクシーショットはもちろん、かたせ梨乃さん。当時23歳でボインぼよよ~ん!
モデル出身で深夜バラエティー番組『11PM』のカバーガールとして注目され、やがて映画『極道の妻たち』シリーズや『吉原炎上』『肉体の門』等の文芸大作でも大活躍、ボインぼよよ~ん!とメリハリボディを惜しげもなく披露して下さった神女優。
刑事ドラマへの単発ゲストは(少なくとも’70〜’80年代は)この『警視ーK』最終回が恐らく唯一で、勝新さんの熱意あればこそのレアな出演と思われます。天真爛漫なコールガール役で、すっぴん&ノーブラ姿でベッドの上をボインぼよよ~ん!と跳ね回ったり、ここでも過剰なほどのサービス精神を発揮してくれて、萌えますw
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