ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『イチケイのカラス』#01

2021-04-07 23:55:07 | TVドラマ全般










 
2021年春シーズン、フジテレビ系列の月曜夜9時枠でスタートした新ドラマ。浅見理都さんの同名漫画を映像化した作品です。

東京地方裁判所第3支部第1刑事部(通称:イチケイ)を舞台に、主人公の刑事裁判官・入間みちお(竹野内 豊)の自由奔放で型破りな裁判に振り回されながら、真実をつかもうと奔走するイチケイメンバーの活躍が描かれます。

入間と共に働く仲間たちに、黒木華、小日向文世、中村梅雀、新田真剣佑、桜井ユキ、水谷果穂、検察庁の検事に升毅、山崎育三郎、そして最高裁判所判事に草刈民代という、さすが「月9」ならではの豪華レギュラー陣。

そりゃあ、これだけ芸達者なキャストが揃えば、その演技合戦を観てるだけで楽しめるし、視聴率もそこそこ稼げることでしょう。竹野内豊&黒木華っていう組み合わせだけで充分魅力的ですから。

う~ん、だけど……だけどもです。創り手がそれで満足しちゃってるように感じるのは、如何なもんかと私は思うのです。全てのパーツが配色済みのプラモデルを、ただ設計図に沿って組み立てるだけの「作業」で本当に満足なの?って。そんなの誰が作っても一緒なのに?って。

いや、かく言う私もプラモデルを作るとしたら面倒くさいから色は塗らないと思うけど、それはあくまで個人の趣味に過ぎないからであって、プロのモデラーがいわゆる「素組み」だけでハイ出来ましたって、クライアントに差し出すなんてこと絶対にあり得ないですよね?

このドラマを観て、私はそれに近いものを感じてしまったワケです。どこかで見た設定、どこかで見たキャラクター、どこかで見た相関図、どこかで見たストーリー、どこかで聞いたセリフ……

すっかりお馴染みの「検事」や「弁護士」を今回は「裁判官」に置き換えただけの話で、過去に観てきた法廷ドラマとは「ここが違う!」「ここが新しい!」って思えるポイントが何1つ見当たらない!

過去作と似てしまうことに対する恥ずかしさとか後ろめたさが、この番組のスタッフには微塵も無いのか?と思ってしまう。オマージュやパロディでやってるようには見えないし。

家族を見捨てて自殺したと思われた父親が、実は事故死だった!っていう第1話の泣かせどころ。私はこれまで、それと同じストーリーを何十回観て来たか分かりません。で、その事故の原因が「線路に飛び出した見ず知らずの子供を救おうとしたから」っていう、これも何百回観て来たか分かんない泣かせパターンを今、令和の時代になって臆面もなく使っちゃうの!?って。

なんでそんな事になっちゃうかと言えば、たぶん創り手が「視聴者を泣かせること」を目的にしてドラマを創ってるから。「ここでこのキャラがどう動けば泣けるか?」「どんなことを言えば泣けるか?」って、そういう考え方で創っていけば自然と同じストーリーになっちゃうワケです。

これも今まで何回ブログに書いたか分かんないけど、視聴者が泣くのはあくまで「結果」であるべきで、それを「目的」にするのは絶対におかしいと私は思う。

いやしかし、とは言っても、大多数の視聴者が「泣き」を第一に求めてる以上、その需要に応えなきゃいけない事情も解らなくはない。なにせ商売だから視聴率を取れなきゃ意味がない。

ならば、せめてもっと斬新な泣かせ方を、少しは頭を絞って考えてよ!って思っちゃう。「まだ誰もやってないやり方」を編み出すために苦悩しつづけ、挙げ句に「使徒ちゃん」呼ばわりされてる庵野秀明さんのドキュメンタリーを観た直後だから余計に!

既成の方程式に当てはめるだけのドラマ創りなんて、さぞかし楽チンだろうなって、思われても仕方ないですよね。

いやもちろん、あの竹野内さんや黒木さんが演じれば、キムタクや松たか子さんとはまた違った味が出ますから、それなりに新鮮だし面白くはなるでしょおいちょ待てよ!

私が言いたいのは、また繰り返しになるけど、創り手がそこで満足しないでよ!ってこと。せっかくの豪華キャストです。内容がもっと斬新なら、その面白さは無限に増幅される筈なんです。だから要するに、勿体ない!

中国あたりのバッタもんならともかく、かつては先頭に立ってドラマ業界を引っ張ってた筈の、天下の「月9」がこんな事してていいの!?って、私は思うのです。あのヒット作のまんまパクリやん!って言われちゃうことに対して、クリエイターなら少しは抵抗を感じるべきじゃないですか?って。

ここ最近、そんな番組が増えて来てるのが気になって気になって、私は昼寝も出来ません。ホントこれはマジでやばいと思う。テレビが好きだから、連ドラを愛してるからこその苦言でした。

セクシーショットはイチケイメンバーの1人である水谷果穂さんと、初回ゲストの松本若菜さんです。


 


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