さすがに30年前まで遡ると、若すぎて気持ち悪いですよね。特に寺脇さんは何と言うか、マネキンみたいでホント気持ち悪いw
1992年の11月に放映された『刑事貴族3』の第21話ですが、『相棒』コンビの原点を振り返る為だけのレビューなので、ストーリーはさらっと流します。
かつて窃盗容疑で本城(水谷 豊)に逮捕され、改心して更生を誓ったはずの青年=辰男(吉田友紀)が拳銃強盗をやらかします。
気弱な辰男がホンモノの拳銃を振り回すとは信じられない本城だけど、調べてみると銃はどうやら盗んだクルマから偶然見つけた物であり、チョメチョメ・パートナーの理絵(市川翔子)にそそのかされて強盗に及んだらしい。
理絵役の市川翔子さんは石原プロの『代表取締役刑事』(’90) で射撃の名手=五十嵐刑事を演じられた清純派の女優さん。今回はアバズレ役にチャレンジされてるけど、煙草を吸っても明らかにふかしてるだけで、可愛いですw
で、その拳銃=当時大流行だった「中国製トカレフ」は半年前の殺人事件で使われた凶器であることも判明。辰男はそのトカレフの持ち主すなわち殺人事件の犯人(秋間 登)から命を狙われる羽目になり、本城&藤村(寺脇康文)の自称「代官署最強コンビ」がその行方を追うというお話。
盗んだクルマから見つけた拳銃で強盗を働くようなクズが、誰に殺されようが自業自得だからちっともハラハラしないんだけど、当時の刑事ドラマにはなぜか、このテの話がやたら多かったです。
どうも当時の創り手たち=私より上の世代が「無軌道に突っ走るワル」に対して憧れや共感を抱いてたフシがあり、そこに平和な時代に生まれ育った我々世代とのギャップがあるような気がします。
いや、向こう見ずな猛者には私だって憧れるけど、やってることが泥棒じゃただのクズです。だから「ほっときゃええやん」としか思えず、辰男のために走り回る「最強コンビ」も滑稽にしか見えません。
ストーリーはちょっとアレでしたが、しかし、水谷さんと寺脇さんの息ぴったりなコンビネーション、その軽妙洒脱な掛け合いは、それだけで我々を惹きつける面白さが確かにあり、後に水谷さんが寺脇さんとの再共演を熱望されて『相棒』が生まれた経緯にも納得できます。
↑田中実さんが戦時中を舞台にした作品と掛け持ち出演ってことで坊主頭になった原田刑事と、第18話から新加入した緒方刑事(前田耕陽)の、キャラ的に噛み合わない若手コンビ。
↑同じく第18話から新加入、というか前作『刑事貴族2』の途中で栄転した本庁から出戻りの青木刑事(高樹沙耶=益戸育江)と、末っ子キャラの吉本刑事(彦摩呂)。演じるお二人はそれぞれ、後に「変わり果てた」お姿を我々に披露することになります。
↑ボスの宮本課長(松方弘樹)とベテランの武田刑事(地井武男)。演じるお二人は帰らぬ人となりました。
↑そして当時アイドルまっしぐらの中山忍さんが演じる内勤婦警、しのぶちゃん。宮本課長の姪っ子という設定でした。
なお、前作からのメンバー2人、村木刑事(宍戸 開)と芝刑事(鳥越マリ)は、それぞれ転勤と退職って形で第17話にて姿を消してます。
ところで、後に『相棒』で再会するのは水谷さん&寺脇さんだけでなく、高樹沙耶さんもなんですよね。小料理屋「花の里」の初代女将にして杉下右京(水谷さん)の元妻=宮部たまき役でSeason10までレギュラー出演されてました。
柴田恭兵さんの相手役でヌードも披露された映画『チ・ン・ピ・ラ』(’84) や『沙耶のいる透視図』(’86)、そして『太陽にほえろ!』の後番組『ジャングル』(’87) では磯崎刑事(山口翔太)のチョメチョメ・パートナー役でセミレギュラー出演される等、我々にとって親しみある女優さんでした。
ところが『相棒』出演中に本名「益戸育江」に改名され、沖縄に移住して政治活動を始められてから、ちょっと何だか近寄りがたい感じに。生き方は人それぞれ自由ですから、我々がとやかく言えるもんじゃないけれど、女優「高樹沙耶」のイメージにはもうちょい頓着して頂きたかったかなぁ……
本名を名乗られるようになって以降の益戸さんは、もはや別人。我々はあくまで「高樹沙耶」さんの艶っぽいお姿だけを記憶に刻みたいところです。
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