☆第24話『オレはカッコイイ刑事になりたい!』
(1980.4.16.OA/脚本=大原 豊/監督=馬越彦弥)
あさひが丘の学生寮で小寺先生(谷 隼人)が所有する30万円の茶碗が盗まれ、七曲署のロッキー刑事……によく似た顔じゅう毛だらけの刑事(木之元 亮)が、ベテラン刑事(今西正男)と2人でやって来て、華麗なる捜査であっという間に犯人を検挙し、顔を毛むくじゃらにしながら去って行きます。
七曲署にはもっとカッコイイ刑事がいくらでもいることを知らない学生たち、殊にラグビー部のNo.2である山下(長谷川 諭)はすっかり魅了され、自分もあんなカッコイイ刑事になりたい!という夢を抱きます。
そんな時に町でひったくりの現場に遭遇し、犯人逮捕に協力した山下は、クラスのマドンナである星野(壇まゆみ)に誉められて、ますますその気になっちゃいます。
そこに眼をつけたのが、落ちこぼれのラグビー部を眼の敵にする竹内教頭(高城淳一)。「学園の規律を守れるのはキミだけだ」と山下をおだて上げ、ラグビー部の連中を刑事よろしく監視するよう依頼します。
単純な山下はそれを喜んで引き受け、後輩たちの喫煙を教頭に密告。そのせいで彼らが停学処分となり、怒ったチームメイトたちと乱闘する事態になっちゃいます。
実はそれこそが竹内教頭の狙いで、乱闘騒ぎを理由に全ラグビー部員を退学にする企みに、山下はまんまと利用されたのでした。日テレ青春シリーズの教頭はこんな小賢しいヤツばっかですw
そこで、最近ちょっと影が薄くなって来たハンソク先生(宮内 淳)がようやく動き出します。「オレは正しいことをしただけなのに!」と逆ギレする山下に、番組初期に比べるとかなりソフトなもみあげパンチを浴びせて「自分のやった事がどういう事か、お前は解ってない!」と説教します。
「お前、将来刑事になりたいそうだが、今みたいなお前が刑事になるのは、オレは反対だ」
「…………」
「こないだの刑事に、お前やみんなが憧れたのは、あの刑事がみんなから信頼されてるからだ。そうだろ?」
「…………」
「どんな職業に就いても、その人間が周りから信頼されなければ、何の価値も無いんだよ」
どうやら仲間たちに退学処分が下されることを知らなかった山下は、あまりのショックで学園の屋上から飛び降りようとします。
「ほっとけよ! オレの事なんかほっとけよ!」
それでもハンソク先生は、真正面から彼にぶつかって行きます。
「だったらサッサと飛び降りたらどうなんだ? ゴチャゴチャ言ってないで飛び降りたらどうだっ?!」
「…………」
「もういいんだ、山下。もういいんだよ」
何がもういいのかよく解らないけどw、その場に泣き崩れた山下は、とりあえず死ぬのを中止します。そんな山下の姿を見たラグビー部の仲間たちは彼を許し、竹内教頭も退学処分を取り下げるのでした。
今回は『太陽にほえろ!』の黄金コンビ=ボン&ロッキーがつかの間の復活!ってことで大々的に宣伝されました。スコッチ(沖 雅也)あたりを連れて来た方が宣伝効果はあったと思うけどw、我々『太陽』ファンには嬉しいプレゼントでした。
七曲署だといまいち冴えないロッキー刑事でも、学園ドラマのガキンチョたちに囲まれるとカッコ良く見えちゃうのは1つの発見でしたw サングラスなんかして普段以上にカッコつけてる木之元さんも、七曲署にいる時より生き生きして見えましたw
出番が短く、宮内さんとの掛け合いが一瞬しか見られないのは残念だけど、まあ『太陽~』撮影で忙しい合間を縫っての出演ですから仕方ありません。
本筋はまあ、他愛ないと言えば他愛ない話だけど、何より大切にすべき財産は信頼関係なんだ、っていうのは『太陽にほえろ!』と相通じる着地点で良かったと思います。
この時期になるとドラマの比重が生徒側に片寄り、またハンソク先生があまり無茶できなくなったせいもあり、前述のとおり影が薄くなって来ちゃったのが私としては残念です。
いや、ハンソク先生が暴走できなくなった分、彼を諌める役目を担った涼子先生(片平なぎさ)の方が割りを食ってるかも知れません。あまり喧嘩しなくなったのは互いに成長した証とも言えるけど、やっぱ物足りないです。
そんな流れの中で今回は、かつての相方の参戦により、ハンソク先生がちょっと元気を取り戻したように感じます。珍しくロッキーが良い仕事をしてくれましたw
この話好きでした。
でもロッキー刑事の出番は序盤ですぐに終わっちゃうんですよね。
可能ならお茶碗泥棒をロッキー刑事とハンソク先生の二人で捜査して欲しかったな〜
それでも久々にボン&ロッキーを見る事が出来てテンションが上がったのを覚えています。
確かに長さんも出る話がありましたよね。
久々の共演で宮内さんも楽しんでいたのかな?
他にも七曲署の人と共演する話があったら面白かったでしょうね。
ファンとしてはコンビで捜査して欲しかったし、例えば「お世話になった先輩によく似てますね」みたいな『太陽』ネタを期待しちゃうんだけど、そういう楽屋オチを使わないところが『あさひが丘』スタッフのプライドというか、志の高さなんでしょうね。。
この回はいま一部がYouTubeで見られるので懐かしく思いました。宮内さんと木之元さんのコントと思える掛け合いが楽しくて、お二人が中年になってもこんな感じで二時間ドラマで共演してほしかったと思うくらいです。年取ったお二人の刑事ものが見たかった。服装もボンとロッキーの時と統一してましたよね。一服の清涼剤でした。
宮内さんが早くに俳優稼業から足を洗わなければ、単発ドラマかVシネマあたりで木之元とのコンビ復活!もあり得たかも知れませんね。お二人揃ったお姿がもう見られないかと思うと残念です。
「太陽にほえろ!」シリーズではボンとロッキーのコンビが好きでした。歴史に残る名コンビだと思います。木之元さんが昨年宮内さんご逝去の時の取材に答えた内容で、当時の「太陽にほえろ!」のギャラが一本15万円だと告白して驚きました。
その当時の大学の授業料が私立だと40数万円、国立が20数万円の時代でした。
ドラマは拘束時間が長くて、撮影も大変だったと思いますし、もっともらってもいいような気がしました。
先日自分の住む東北ローカルのドラマの番線で小野寺昭さんが出ていましたが、お元気そうでほっとしました。「太陽にほえろ!」のメンバーを見るとほっとします。皆さん長生きしていただきたいものですね。
『太陽』メンバーをテレビでお見かけするとホッとするのは私も同感です。しかしまさか、ここに来て一番よくお見かけするのがマイコン刑事になろうとは!w