屯田物語

フォレスターとα6000が
旅の仲間
さあ、カメラを持って
出かけよう!

やちぶきの春

2005年02月15日 | 
勇駒荘に泊まった次の日の早朝、
ロープウエイ駅にまだ人影はありません。
駅裏の湿地帯にいってみると、雪のなかから、水芭蕉、やちぶき、ふきのとうが
ぽつりぽつりと咲いています。

「やちぶき」を季題にして、俳句と短歌を詠んでみました。

   雪わけて
   やちぶきの花
   水清し

   見上げれば
   ゴンドラ行き交う
   朝靄に
   やちぶきの花
   雪の中から

   ゴンドラの
   天から眺むる
   やちぶきは
   白夜に点る
   地上の星

   これからは
   生きるは妻と
   ともにあり
   我がホームページは
   やちぶきの春


旭岳ロープウエイ駅裏の湿地帯に咲く「やちぶき」と「水芭蕉」です。

土起こす

2005年02月14日 | 
   土の香が
   好きで結婚
   麦の秋


微笑ましい情景が眼に浮かぶ。
こんな気持ちで嫁ぐのだから気持ちのやさしい女だね。
まるで、吉永小百合の「草を刈る娘」のワンシーン。

「NHK俳句全国大会」で優秀作品の発表がありました。
十七文字の言葉だけで、これだけ生き生きした表現ができるなんて、
わたしも俳句をやってみたいと思うようになりました。

季題は「土」です。
他にもいい句がありました。

   一天を
   戴く土へ
   種子おろす

   雪消えて
   土に吾が名を
   書く子かな

   水うって
   浄土の風と
   なりにけり


番外編(自作)です。

   雪の下
   土を起こして
   ふきのとう


トムラウシ温泉の東大雪荘前
てんぷら用に”ふきのとう”を摘んできました。



みどりの乳房

2005年02月13日 | 
  校長の
  印より太き
  保護者印
  子の通知簿に
  掌を重ね捺す


テレビで「NHK全国短歌大会」を観ていたときのことです。
この歌を聴いたとき昔のことを思い出して笑ってしまいました。
わたしの中学時代、都合のわるいときは親に通知簿を見せないことがありました。
それでも、通知簿に捺印が必要です。
なんとか三文判を手に入れたけど、朱肉がなく青のスタンプインクを代用してました。
不自然な印影なのに先生から指摘されたことはありませんが、もしかして見て見ぬ振りだったかも。

そういうわたしは息子達の通知簿はきちんとチエックしてましたね。
まことに勝手な親であります。

印象に残った短歌をもう一首。

  甘いんだ
  俺の畠の
  ピーマンは
  つんと弾ける
  みどりの乳房だ


作者は農家の方ですが、土の匂いより、躍動的なエロチシズムを強く感じました。
  
友人のNYさんから「現代短歌文庫 NY歌集」を戴きました。
その歌集も全国短歌大会で発表された歌も、保守的な様式から脱け出して、現代的でわかりやすく親しみがもてました。
短歌といえば「百人一首」か若山牧水しか思い浮かばなかったので、口語体スタイルの短歌は新鮮であります。
そういえば、「ケータイ短歌」が流行っているらしい、現代の相聞歌となるでしょうか。
自由闊達に自分を表現できれば”いいな”って心底思った「時間」となりました。



わたしの一番大切な物

2005年02月12日 | 日常
わたしの一番大切な物は”カレーライス”です。
愛・地球博のテーマに沿って、若者を対象に「あなたの一番大切なもの」を聴いたところ、「家族」「友人」「自分の住んでいる町」「思い出」などなど、問いが漠然としていても予想された答えが多かった。
そのなかで、「オートバイ」「カレーライス」と答えた二人の青年がいた。
「なぜオートバイが一番大切なの?」との質問に、彼は「いつでも友人に会いにいけるから」と述べている。
インタビュアーの思惑(愛・地球博のテーマ?)に即した発言となったようだ。

「カレーライス」と答えた名古屋の学生の理由。
「引っ込み思案でなかなか自己主張できない自分であったが、誰も挑戦しなかったお店一番の激辛カレーを完食したことで自信を持てた。」
素直な気持ちだと思う。
彼にとって、カレーライス=自信 なのである。
格好つけない彼の態度に好感を持った。


時計台の鐘

2005年02月11日 | 札幌の風景
時計台は街の象徴
100年以上も古典的な文字盤で時を刻む
赤いトンガリ帽子は開拓の誇り


札幌の時計台は「日本三大がっかり風景」のうちの一つにあげられているらしい。
高層ビルの谷間に埋れた小さな時計台なので、がっかりした方も多いと思う。
せめて羊が丘公園のような田園風景にあれば満足したのかもしれない。
時計台は明治11年に旧札幌農学校の演武場として建てられたもの。
そんな歴史ある建物が、人口180万の大都会の中心部に存在していることに意義がある。
時計台移転という計画もあったようだけど、ここにあってこそ開拓期の歴史を持つ市民の誇りを感じとることができるのだが。

「日本の音風景100選」に北海道から「時計台の鐘」「流氷のきしむ音」「ナキウサギの声」などが選ばれました。
北海道の音風景 のサイトにはいかにも北海道らしい生活の息吹が収録されています。
是非、北国の音風景を楽しんで下さい。

「流氷どうしの擦る音」     ゾウアザラシの鳴き声?
「根室・納沙布岬の霧笛」     眼を閉じて聞いてみて!
「青函連絡船「桧山丸」の汽笛」
 


心に響く三行ラブレター

2005年02月10日 | 日常
「日本語文章能力検定協会」は、バレンタインデーやホワイトデーに向けて、愛を伝える「心に響く三行ラブレター」を募集したところ10,000通をこえる応募があったそうです。
こういう素敵なイベントがあったのですね。
過去の受賞作品を読んでみました.
年齢に関係なく、いつまでも瑞々しく優しい言葉に思わずホロリとします。
来年は応募しようっと。。

第一回から第七回の最優秀賞を集めてみました。

どんなに想いを言葉にしても白い息とともに消えてしまう
それならいっそ 雪になりたい
あなたの上に舞い降りる雪になりたい (18才/高校生女)

前髪を切った日、新しい服を着た日
一番に会いたくなるのは
好きになったってことなのかな (17才/高校生女)

あなたを見舞った帰り道
ちょっぴり切なくなって
一番赤いリンゴを買いました(52才/男)

おじいさん。今、何処にいますか。
また寒い季節が巡ってきました。
背中を掻いてくれる人のいない冬の夜は淋しさに胸が震えます。(89才/女)

話しかけてきた息子の声に、ドキッとしました。 
あの頃のあなたの声でした。 
学校のそばの時代遅れの喫茶店 行ってみましょうよ。(48才/女)

炒め物みたいに、ジャアジャアふざけあってた
あの頃もよかったけど
煮物みたいにコトコト静かな、今の二人も何かいいよね。(42才/男)

寒くてね 眠れない 赴任地の夜
羊なぞ数えてみても
君が迷い込む (47才/男)

恋の雪

2005年02月03日 | 
父は95歳になります。
わたしが小学校二年生のとき、シベリヤの抑留生活から解放され、母と兄、姉、妹の4人で函館まで迎えに行きました。
旅館の夕食で食べたニシンがすごく美味しかったことと、髭面の父と会ったとき三つ年下の妹が怯えて泣きそうになったことを思い出します。
書棚を整理していたら、父直筆の「恋の雪」の詩を見つけました。
わたしの兄も詩集を出版しております。
やはり、父から兄へ感受性豊かな詩の心が受け継がれたのだと思いました。
それにしても、色っぽい歌であります。
作曲された鎌田さんにはお会いしたことがありません。

「恋の雪」は父が80歳のときの作品です。