屯田物語

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トロイのヘレン

2005年02月17日 | 映画
1955年に「トロイのヘレン」を観たときは、紀元前13世紀の10年にわたる壮大な歴史映画に興奮した。
そして、きのうブラッド・ピット主演の「トロイ」に期待したが、お金をかけただけのハリウッドお得意の大作映画?であった。
史実はともかくとして、トロイ戦争は10年にわたる攻防戦である。
それなのに、わずか2週間?でギリシャ軍の勝利、なんともあっけない幕切れとなった。
スペクタクルが大好きという方にはお薦めかもしれないが、別にトロイ戦争でなくてもよかったという映画である。

ヘレンは歴史に残る美女である。
彼女が原因で、東アジアの都市トロイは10年にわたる戦いの末にギリシャにほろぼされた。
その戦いを題材にして詩人ホメロスは「イ-リアス」「オデュセイア」という二大叙事詩を書いている。
「イ-リアス」は10年に及ぶトロイ戦争の最終段階の数日を書いたものである。
せめて、「トロイ戦争」を扱うのなら、少なくても10年に及ぶ疲弊しきった攻防戦の歴史、トロイ落城の決め手になった木馬、オデッセウスがその計略を考え出すにいたった経緯、を納得できるように描かないと興味半減である。
製作者はホメロスに関係なく、観客向きにスペクタクルシーンを満載し、時間内に納まるよう造った映画といえる。
壮大な歴史ロマンを無視した作品となった。

昭和30年「トロイのヘレン」を観たときは興奮した。
アキレスとヘクトルの決闘は迫力あり、「トロイ」よりはずっと上質である。
ヘレン役はギリシャ美人の典型であるロッサナ・ポデスタ。