仏教日記(4)
先日、仏教の修行は覚りを得るためで、
神道信仰で得られるようなご利益はない
と申し上げましたが、そうではないこと
を思い出しましたのでお話させていただ
きます.
昔、祖母からこんな話を聞きました.
それは瀬田の唐橋のあるお寺のご住職の
方のお話です.この方は人の背後霊が見
えるというすごい法力を持っておられた
方で、道ゆく人に、時としてお声をかけ
られたのだとか.
「汝、すみやかに帰宅し、母の看病をいたす
べし」
「あのう、どういうことでしょうか?」
「汝、母上は、これこれこういう髪型で
顔のどこそこにほくろがあり、これこれ
こういうお姿ではないか?」
「そうですけど、どうしてご存じなのですか?」
「今、汝の肩に乗っておられる.熱を出して
寝込んだそうじゃ.すぐに戻って看て差し上げるが
よい」
それでそういわれた人が疑心暗鬼で、帰宅
してみると、本当にお母さんが倒れて寝ていた
とのことでした.このお上人のことは界隈の
多くの方の知るところとなり、そのお寺も
栄えていたといいます.
お寺でもご利益談は絶えず、なかでも不思議だったと
いうのは、生まれつき脚がなかった奇形の男児に
脚が生えてきたという話.
そのお寺には祖母もよくお参りしていたと言います.
橋のところからも、法華太鼓の音が聞こえたのだと
か.日蓮宗だったらしく、「本門八品~の…」
というご住職の声がいつも聞こえたというから
きっと、日蓮宗八品門流のお寺だったのでしょう.
大正生まれの祖母の若い頃の話ですから、おそらく
戦前のことだと思います.
この日蓮宗には流派はいろいろあるみたいなのですが、
ぼくが観光案内をしていたころは、たしか京都の
妙蓮寺とか本能寺がこの門流だった記憶があります.
実際に案内したのは本能寺ばかりでした.
そして元本能寺(本能寺は移転して現在の場所になっ
ている)のあたりを通過するときも、ここに信長が
焼き討ちにあった本能寺があったんです、とよく
案内していました。
【結論】大乗仏教にもご利益はあるようです.
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