古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

小杉健治の時代小説がおもしろい。

2023年02月08日 15時20分01秒 | 古希からの田舎暮らし
 藤澤周平、池波正太郎、鳥羽亮ばかりでなく「他の小説家の時代小説を読もう」と小杉健治の『札差殺し』(風烈廻り与力・青柳剣一郎・第一巻)という本を読みました。気に入りました。主人公の/性格(軽薄でない、粘りづよい、親身になる)/剣の力(めっぽう強いわけでない。しかしギリギリ勝つ)/正義感・人間観・世の中の見方/など。一冊読んだだけですが、なかなかいい。
 そしてこのシリーズがなんといまでは60巻も出ている。「こりゃー、たのしみだ」。
 この文庫本の「奧付」を見ると、初版は2004年(平成16年) ⇒ (図書館で借りた本)は2011年(平成23年)第12版となっています。〈主人公〉や〈物語の展開〉が読者に好感をもたれていることがうかがえます。 

 先日、小説家の加賀乙彦が93歳で亡くなりました。彼の小説で、ぼくの〈一押し〉は『帰らざる夏』です。昭和4年生れの加賀乙彦は最難関の「陸軍幼年学校」に入学します。その体験をもとに書いた自伝的小説です。「血沸き肉躍る」あの太平洋戦争冒頭のころ、胸おどらせた少年が敗戦でどんな心の遍歴をするのか。
 推理小説作家・西村京太郎のように「幼年学校はなぐられない。戦場の第一線に出なくて、大将にもなれる」と書く幼年学校生もいますが、多くは加賀乙彦のような〈愛国少年〉の熱い思いで幼年学校に入学したでしょう。
 彼の大長編小説『永遠の都』を読んでみたくなりました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする