昨日〈小さな森の喫茶店〉で買った〈紅はるか〉を焼き芋にしました。昨日切った廃材がよく燃えて午前中にたき火はおわりました。昨日は紅はるかを二袋買いました。一つ390円で、小さいけど粒ぞろいのサツマイモです。全部で13個。
小さいサツマイモは特に、新鮮なうちに焼き芋にしたほうがいい。腐ったり、アクが出たりします。クッキングホイルでつつんで、ダッチオーブンに入れてみたら13個全部入ります。もちろん鍋のフチにふれないように小石を詰めます。
一時間のたき火で焼き芋ができました。食べてみると、大きな紅はるかと同じ〈おいしさ〉です。通販で大きな紅はるかを、高いお金で買っていましたが、小さい焼き芋はあつかいやすい。喫茶店の店先に置いてある売り物ですから少量です。明日は買いに行きます。あと2回くらいこのサツマイモで焼き芋をしようかな。
東条図書館に頼んで購入してもらった本『ベニシアの「おいしい」が聴きたくて』(梶山 正 著 2024年3月刊 山と渓谷社)を読みました。この3月に出たばかりの本です。新聞広告を見て、道子さんが図書館にたのみました。公立図書館はありがたいですね。とくに田舎の図書館はサービスがうれしいです。
思い出します。ぼくが東条図書館で借りた〈作家・青山文平〉の新刊時代小説を読んで、ブログに「おもしろい」と書いたことがあります。芦屋の親友がそのブログを読んで、芦屋市立図書館に借りに行きました。「予約してください。17人待ちです。また連絡します」と言われたそうです。車で道を走っても、まわりの田んぼや野山を見ても、図書館で本を借りても、スーパーで買い物をしても、田舎は街よりのびやかに生きていけます。
ベニシアさんは2023年6月に72歳で亡くなりました。彼女は2015年64歳のときから介護は必要になりました。まず目が見えなくなりました。目の障害でなく、PCA(後部皮質萎縮症=アルツハイマー症の一種)と診断され、亡くなるまでの8年間の介護を、夫の梶山正さんが書いた本です。
介護にはこれから妻もぼくも直面する問題です。真剣に読みました。感想ははぶきますが、一部引用します。ベニシアさんが亡くなる17日前のことが書いてあります。(それまで食べ物がとれないので静脈から栄養補給をしていました)
6月5日、カンファレンスの日が来た。バプテスト病院の待合室に座っていると、介護や看護や薬局、介護用品レンタル会社の社員など知った顔がたくさんいた。時間が来たので4階の会議室に上がっていくと、先ほど待合室で見た顔が集合していた。ベニシアのために、こんなにたくさんの人が集まるとはビックリした。待合室で待っている間に、訪問看護師の黒田さんに僕は、胃ろうについて少し喋っていた。会議が始まると、すぐに黒田さん。
「正さん(ベニシアさんを介護してきた夫)は、胃ろうはできないのかと考えているみたいですよ」
「どうして胃ろうを?」と湊先生。
「カテーテル(栄養補給の)を外したので、もう充分な栄養が取れないのでしょ。だったら胃ろうに頼るしか、ほかに方法がないのでは?」と僕。
「胃ろうはリスクが高いです。ベニシアさんは、かれこれもう10ヶ月も胃から栄養を吸収していないでしょう。胃が栄養を吸収してくれないと思います。栄養の液体が逆流して、気管に入る可能性があります。それならカテーテルを中心静脈に埋め込む手術をして、そこに栄養を入れる方がリスクは低いです」
「じゃあ。そうしてください」
「いまベニシアさんは手術に耐える体力がないので、この入院中はできません。いったん家に連れて帰って、体力が回復したころにどうしても … と言うのでしたら、その時はやりましょう。ところでベニシアさんに会いましたか?」
「いいえ、もう10日間以上会ってないです」
「じゃあ、会いに行きましょう」
病室には静かにベッドに横たわったベニシアがいた。元気がなさそうだし、不安で怯えた様子だった。痩せこけてしまい、生命力がかなり減少しているのが見て取れた。涙がでそうだ。身体がフリーズしそうだが、僕は手を握りしめた。
『ベニシア元気か? 正だよ。3日後に退院できるよ。もうすぐ大原の家に帰るよ。だからもう少しだけ待ってね」
できるだけ明るい声で、話しかけることしか僕はできなかった。
小さいサツマイモは特に、新鮮なうちに焼き芋にしたほうがいい。腐ったり、アクが出たりします。クッキングホイルでつつんで、ダッチオーブンに入れてみたら13個全部入ります。もちろん鍋のフチにふれないように小石を詰めます。
一時間のたき火で焼き芋ができました。食べてみると、大きな紅はるかと同じ〈おいしさ〉です。通販で大きな紅はるかを、高いお金で買っていましたが、小さい焼き芋はあつかいやすい。喫茶店の店先に置いてある売り物ですから少量です。明日は買いに行きます。あと2回くらいこのサツマイモで焼き芋をしようかな。
東条図書館に頼んで購入してもらった本『ベニシアの「おいしい」が聴きたくて』(梶山 正 著 2024年3月刊 山と渓谷社)を読みました。この3月に出たばかりの本です。新聞広告を見て、道子さんが図書館にたのみました。公立図書館はありがたいですね。とくに田舎の図書館はサービスがうれしいです。
思い出します。ぼくが東条図書館で借りた〈作家・青山文平〉の新刊時代小説を読んで、ブログに「おもしろい」と書いたことがあります。芦屋の親友がそのブログを読んで、芦屋市立図書館に借りに行きました。「予約してください。17人待ちです。また連絡します」と言われたそうです。車で道を走っても、まわりの田んぼや野山を見ても、図書館で本を借りても、スーパーで買い物をしても、田舎は街よりのびやかに生きていけます。
ベニシアさんは2023年6月に72歳で亡くなりました。彼女は2015年64歳のときから介護は必要になりました。まず目が見えなくなりました。目の障害でなく、PCA(後部皮質萎縮症=アルツハイマー症の一種)と診断され、亡くなるまでの8年間の介護を、夫の梶山正さんが書いた本です。
介護にはこれから妻もぼくも直面する問題です。真剣に読みました。感想ははぶきますが、一部引用します。ベニシアさんが亡くなる17日前のことが書いてあります。(それまで食べ物がとれないので静脈から栄養補給をしていました)
6月5日、カンファレンスの日が来た。バプテスト病院の待合室に座っていると、介護や看護や薬局、介護用品レンタル会社の社員など知った顔がたくさんいた。時間が来たので4階の会議室に上がっていくと、先ほど待合室で見た顔が集合していた。ベニシアのために、こんなにたくさんの人が集まるとはビックリした。待合室で待っている間に、訪問看護師の黒田さんに僕は、胃ろうについて少し喋っていた。会議が始まると、すぐに黒田さん。
「正さん(ベニシアさんを介護してきた夫)は、胃ろうはできないのかと考えているみたいですよ」
「どうして胃ろうを?」と湊先生。
「カテーテル(栄養補給の)を外したので、もう充分な栄養が取れないのでしょ。だったら胃ろうに頼るしか、ほかに方法がないのでは?」と僕。
「胃ろうはリスクが高いです。ベニシアさんは、かれこれもう10ヶ月も胃から栄養を吸収していないでしょう。胃が栄養を吸収してくれないと思います。栄養の液体が逆流して、気管に入る可能性があります。それならカテーテルを中心静脈に埋め込む手術をして、そこに栄養を入れる方がリスクは低いです」
「じゃあ。そうしてください」
「いまベニシアさんは手術に耐える体力がないので、この入院中はできません。いったん家に連れて帰って、体力が回復したころにどうしても … と言うのでしたら、その時はやりましょう。ところでベニシアさんに会いましたか?」
「いいえ、もう10日間以上会ってないです」
「じゃあ、会いに行きましょう」
病室には静かにベッドに横たわったベニシアがいた。元気がなさそうだし、不安で怯えた様子だった。痩せこけてしまい、生命力がかなり減少しているのが見て取れた。涙がでそうだ。身体がフリーズしそうだが、僕は手を握りしめた。
『ベニシア元気か? 正だよ。3日後に退院できるよ。もうすぐ大原の家に帰るよ。だからもう少しだけ待ってね」
できるだけ明るい声で、話しかけることしか僕はできなかった。