真っ暗な写真でごめんなさい。朝、6時8分、道子さんに呼ばれて、窓から裏山のバードフィーダーを見たら、台のうえになにか動物みたいなモノがいます。よく見るとタヌキではありませんか。
「写真写真!」と思ったけど、窓をあけると逃げてしまうだろうし、ストロボをつけたら窓のガラスに反射してしまうし、暗いけどそのまま撮りました。5分ほど台の上の粟粒を食べていました。「もう少し明るくなるといいけど」と思って見守っていましたが、奥のほうに立ち去ってしまいました。
明日からもやってくるように「粟粒だけでなく焼き芋などを台の上に置いてやろう」と思っているところです。
下の大きな畑をつくっていたときに、キツネが二度、アライグマ用の檻にかかったことがあります。一匹はシッポの貧弱なキツネでしたが、もう一匹は、見事なキツネでした。精悍で姿が美しい。見とれるようなキツネでした。
でもこの地に暮らすようになってからタヌキは見たことがありません。ぼくは数年前に、一度だけ裏山からのぞいているタヌキをチラッと見ましたが、すぐ茂みに隠れてしまいました。
そうか。裏山にはタヌキがいるんだ。なにを食べて生きてるんだろう。今夜は、粟粒を容器に入れて置こう。夜は小鳥はつつかない。ネズミが食べる心配があるけど、全部は食べないだろう。明日の未明にタヌキが出てくることを期待しよう。
タヌキで思い出すのは篠山の今田町の山奥の『狐狸庵』です。今田町の中学を退職したとき、町の方がぼくと妻を狐狸庵でもてなしてくださいました。山の中にポツンとある料理屋さんで、そこのおばあさんが「野生のタヌキが出てきますよ」と話します。午後8時頃に庭先にカリントをまき「ポンシャンやーい!」と茂みに呼びかけます。
数匹のタヌキが出てきて、カリントをその場で食べます。狐狸庵には三回いきましたが、いつもタヌキが出てきました。
1997年の話です。もうあの庵はないだろうな。