アニメーション映画監督、宮崎駿の引退記者会見を見ました。
長編劇場アニメーション初監督作品である『ルパン三世カリオストロの城』から『風立ちぬ』まで全部観ました。
TVシリーズ『アルプスの少女ハイジ』やチャゲアスの『On Your Mark』、『シュナの旅』、漫画版『風の谷のナウシカ全巻』と、人生で一番追いかけた監督、それが宮崎駿でした。
一部で「国民的アニメ」とかいわれて(『となりのトトロ』のせいでしょうが)、過度の期待をかける声も聞こえますが、宮崎駿の作品は最初からオタク少年の夢がつまっていて、挑戦的で、革新的で、時に反社会的でさえありました(ドロボウや空賊や魔女だし)
独善家で毒舌家で石頭で怒りっぽくて全然見習いたくない人物。だけれど才能と発想とアニメーターとしては天才。それが私の抱いている宮崎駿のイメージです。
あたりさわりのないこといって、社会を肯定して、みんなの味方で、夢を語っているだけのおじさんを社会は求めるのでしょうが、ただの頑固ジジィです。屁理屈を言い、理不尽で、身勝手な年寄りです(あくまでイメージです)
ただ、宮崎駿は戦う人でした。
勤勉なヘミングウェイでした。
70歳を超えてなお何千枚もの絵を描き、物語の結末を追いかけ、納得いくまで人間を追及する。
「アニメーションは世界の秘密をのぞき見る仕事だ」
『カリオストロの城』は興行的には失敗でした。お客が入らなかった。いや、当時のアニメ作品はあくまで「子ども向け」であり、作品として何段も下に見られていた。アニメーションの映画はあくまで「劇場用アニメ」であり、映画監督は「アニメ監督」でした。
それがジブリ作品、宮崎駿が「映画」に変えました。
私は経済的に儲かることがわかり、海外が評価して初めてその価値を認める多くの日本人に失望しています。ずっと頭にきています。
宮崎駿が「憲法改正反対」と表明したことにつっかかる記者に頭にきます。勝手な仲間意識に腹が立ちます。「アニメは日本の宝」だという奴に「勝手なこというな!」と思います。
宝くじに当たったら出てくる会ったこともない親戚か!(怒)
好きなやつが観ればいんです!
好きなように侃侃諤諤やればいいんです。
ただ、自分たちの価値観を押し付けないで欲しい。
映画って、宮崎駿って、そんなあんたたちが利用できるヤワなものじゃないから!
あくまで私のイメージですよ。
宮崎駿作品、面白かった。楽しかった。
こんなに「絵が動く」楽しさを教えてくれたアニメーターは他にいませんでした。
こんなに、社会に対して戦う大人を私は知りませんでした。
人間を見つめないと、世界をよくよく見つめないと、あんな絵は描けませんよ。
私はそう思います。
しかし私は宮崎駿を信じていません!
引退なんて信じていません。
きっとまたどこかであの絵が動くところ観ることができると信じています。
『風立ちぬ』、いい映画でした。
宮崎監督、ありがとうございました。
宮崎駿監督の引退記者会見を見た。今回は本当に引退するみたい。金曜ロードショーでも「紅の豚」が急きょ放送。やっぱり面白い♪ #tabiumi