前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

マーラー:交響曲第5番(17人の奏者のための編曲版)

2021-11-17 23:41:39 | クラシック音楽
ナタリア・アンサンブル(NATALIA ENSEMBLE)による
マーラーの交響曲第5番(17人の奏者のための編曲版)を聴きました。



ナタリア・アンサンブルは、グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラで出会った
若きミュージシャン達によって結成されたプロジェクトです。

編成は
ヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス
フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット
ホルン、トランペット
ティンパニ、パーカッション×2
ハープ、ピアノ、ハーモニウム
の17人


マーラーの交響曲第5番ハ短調は1901年に作曲が開始され1902年に完成しました。
まさに新世紀(20世紀)の幕開けを飾るに相応しい作品です。

音楽史において古典派・ロマン派などの区分けは年代でハッキリとは分けられませんが
マーラーの新世紀以降の交響曲(第5番から第9番)はロマン派絶頂期の作品でもあり
また「ロマン派の終焉(の始まり)」でもあります。


第4楽章「アダージェット」の耽美な旋律のイメージも強いですが
一方で第5楽章の対位法的書法など、古典回帰を目指した面もあります。

マーラーに認められ親交もあったブルーノ・ワルター指揮の演奏を聴くと
モノラル録音であることも影響しているかもしれませんが
早めのテンポで過度にロマンティックになり過ぎないスッキリとした印象です。


1947年2月10日カーネギー・ホールでのライブ
ブルーノ・ワルター指揮 ニューヨーク・フィル


そういえば、以前にN響定期公演・セミョーン・ビシュコフの指揮で聴いた第5番も
古典派交響曲のようなアプローチが新鮮な演奏でした。


ナタリア・アンサンブルは17人という少人数ですので
通常のオーケストラでは気付かなかった旋律(声部)も聴こえてきてちょっとビックリです。
編曲版ですがより"古典度"が増した感じです。

ただ、何よりも特筆したいのは演奏が素晴らしいこと。
こんな少人数(ほとんどのパートがソロ)でマーラーが演奏できるんだ。
若手ばかりですけど本当に上手い!


当分の間、第5番はこの演奏ばかり聴くことになりそうです。
ほかの作品の録音が出ることに期待!