前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

『ユージーン・スタジオ 新しい海』(東京都現代美術館)

2021-11-26 00:14:29 | 美術関係
東京都現代美術館で『ユージーン・スタジオ 新しい海』を観てきました。



ユージーン・スタジオは寒川裕人(1989年アメリカ生まれ)による日本を拠点とするアーティストスタジオで
平成生まれの作家が東京都現代美術館で個展を行うのは初めてだそうです。



〈ホワイトペインティング〉シリーズ

唯の白いキャンバスに見えますが人々の接吻が重なっているそうです。



海庭

ガラスと鏡で囲われた一部屋にきれいな水が湛えられています。
海庭であり海底であり 臨界であり臨海であり





私にはすべては光り輝いて映る

特殊な加工をした真鍮に油絵具やオイルパステルなどを用いて色やモチーフが描かれています。
光り輝く「私(真鍮)」に作品の外側にあるものが映ることで成立する作品とのこと。

真鍮は最初、金箔かと思いました。琳派の作品のよう。



私は存在するだけで光と影がある

紙に塗布した翠色の水性染料が自然光で退色しグラデーションが生じた作品。
紙を折り曲げて多角柱にし、立てて太陽光に曝したそうです。

平面と立体 光が当たる面と当たらない面(光と影) 発色と退色



善悪の荒野

映画「2001年宇宙の旅」(1968年)の終盤に出てくる部屋を再現し、
それを破壊、焼失させたオブジェで再構成したもの。



こちらが映画の場面






ゴールドレイン

金箔と銀箔の粒子が雨の様に擦り注ぎます。


現代○○、コンテンポラリー○○と呼ばれるものは、絵画であれ音楽であれダンスであれ、
ジャンルを問わず「言葉」で説明されなければ、その作品の意図が分からないものもが多いです。
というよりも殆どがそうかもしれません。

本展の作品もそうです。
ここに書いたものも、後でパンフレットの内容を要約したものです。

ただ、会場では解説などは読まずに観て回りました。
作者の意図は分からずとも、というより意図がわかる必要もなく
美しいなあと感じたり、息を吞むような緊張感やハッとするような驚きなどを感じさせてくれる作品、
現代アートもあります。

本展はまさにそういう展覧会でした。
平日で人も少なく、ゆっくりと作品空間に浸れたのもよかったです。

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