ポーチュラカ(ハナマツバボタン)の花をふと見ると,黒い小さなものが付いていました。よくよく見るとそれはアリでした。さらによく見ると,アリが蕊をなんとか根元からちぎり放そうとしている最中だったのです。とてもめずらしい風景です。「なぜこんなに執ように,このオシベにこだわるのだろう」。そんな疑問が湧いて来て,撮影を始めました。
この格好は,もう綱引き。花粉が欲しいのなら花粉だけ持って行けばよいものを。そうではなく,花糸も併せて欲しいのでしょうか。
引きちぎろうとして,からだの向きを変えて「よいしょ」。
「うーん,こらしょ」。
やっと蕊がちぎれ,ありはそれを外に運び出しました。
いったいどこに運びたいのでしょう。近くの花にアリの姿はなし。アリがこの花に関心を持つのなら,もっとアリの姿があってもよさそうなのに。
ふしぎな風景でした。