冬の今,ホトケノザ(シソ科)は畑や道端,空き地にどっさり生えています。その上,花をしっかり付けて子孫を残そうと努めています。昆虫のすくない冬季にも花が咲く,それは変だ,と思うのがふつう。ホトケノザの結実戦略に触れると,「なんとまあ」と驚き入ります。そのことを初めて知ったとき,わたしは仰天しました。
今咲くからといって,この草を春の七草でいう「ホトケノザ」(キク科)と勘違いしてしまうのはどうも。ある学校の廊下で,展示されている卒業記念作品を見て仰天した経験があります。七草のなかまであるコオニタビラコに,この愛称が付けられた経緯はわたしにはわかりません。それにしてもややこしい。ややこしい話のネタを提供することになって,命名に関わった先人はあの世で困惑しているのでは?
あと一週間すれば,"春"の野で「ホトケノザ」を摘iみます。そのときもまた二つの「ホトケノザ」を思い浮かべることになるでしょう。