朝,古刹にて。
人影のない境内です。坂道に葉が落ちて,紅葉の終わりを告げています。葉に露が付いて,陽の光を受けて放つ風情のある風景を見ました。その葉に自分が入り込んで葉の目で辺りを眺めている気持ちになれたらスゴイ,そんな遊び心にどっぷり浸かったつもりで撮りました。
落ち葉はやがて土に還っていきます。
幹が二股になったところに落ち葉が。やがて下に落ちます。そして,……。
落ち葉にはこんなふうに露玉が付いています。向こうに続く落ち葉のじゅうたんはこうして湿り気のある環境の主役を演じています。そこを歩くと,乾いた音はなく,足がしっとりと沈むだけです。
モミジの大きな木の下に,苔むした大きな石があります。その上に落葉が何枚も何枚もありました。この木はほとんどの葉を落としています。よくよく見ると,なんだか充足感を感じているような。
逆光下で撮るのは魅力ある撮影法だと思って,好んで撮っています。光と影の絶妙なバランスが気に入っています。落ち葉は水といっしょになって自然をゆたかに見せてくれています。これは見応えあり,です。
すてきな撮影ポイントと巡り合え,感謝。まさに“写し心”は“遊び心”。”