古刹,再訪。
人の気配のないこの空間が大いに気に入っています。朝日が射し込む時間帯に,地面に這いつくばって上空を見上げながら撮ります。構図にはイロハモミジの老木をいっぱいに描きます。それは仁王立ちしているように見えないこともありません。その枝から落ちて来た葉をアップで入れます。落ち葉にはまだ色が鮮やかに残っています。それらは苔むした大きな石の上に積み重なっています。落ち葉に陽が当たる瞬間を狙います。主役は落ち葉です。
葉はやがて土に還り,自分のいのちを育てた木に栄養を与えます。
輪廻とか,輪廻転生とかといったことばが浮かびます。厳かな生物学的事実です。ここに佇んでいると静かに静かに時が流れていきます。
葉を一枚一枚見つめたい,そのいのちを粗末にしては申し訳ない,そんな気持ちでひととき撮影に没頭しました。自然に感謝,秋に「ありがとう」,です。