元ラーメン屋店主のツイート集

ラーメン屋を10年経営し、今は閉店し、介護士をしています。

温故知新

2010年02月20日 | ♪ハードロック/ヘヴィメタル∮♭
今、冬季オリンピックシーズンで、世界最高峰の競技が連日
放送されていますが、新記録に塗り替えられたり、過去は
不可能だった技術がクリアされレベルの高い競技になって
います。しかし、過去に記録を残したアスリートやメダリスト
より、今のアスリートが本当に凄いかと言うと、比較出来る
ものじゃありません。

例えば、映画や、ゲームなど、日進月歩で、初期型の物は
チープに思え、今の物の方が明らかに技術進歩していますが、
昔の製作者より今の製作者の方が優れているかは別問題なの
です。

携帯や、パソコンや、テレビなど、家電品全般、最新製品と
過去の製品を性能や機能だけで、エンジニアの優劣はつけ
られません。

以前、テレビで「現代のエジソン」と言う若きエンジニアが
紹介されていましたが、彼は、某電機メーカーのトランジスタ
ラジオを指差し「昔のエンジニアはたいした技術も知識も無く
商品開発部門にいたんですよ。このラジオなんて、大勢の
エンジニアが莫大な資金で開発したんですよ。私なんて、
小学生の頃には1人でラジオを作れたんですよ。」と、
あたかも天才面していましたが、自分の発言の馬鹿さ加減に
気づいていないとは愚かです。

0を1にする作業の苦労を蔑ろにして、1を2、2を3に進歩
させたからと過去の偉人の業績を批判するのは発想が未熟だと
しか思えません。

僕は、最近「ジミ・ヘンドリックス」の「ファースト・レイズ・
オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン」を聴いて、そう強く痛感
しました。

僕は、エレキギターサウンドが好きで、沢山の偉大なる
ギタリストに感銘を受けました。近年は超絶ギタリストばかりで
新人でも、アマチュアでも物凄くレベルが高い人ばかりです。
だから、超絶ギタープレーに慣らされ過ぎて、多少、テクニカルな
演奏を聴いても驚かないです。

でも、改めて「ジミ・ヘンドリックス」の音楽に触れてみると、
物凄く魅力的なギターです。「ジミ・ヘンドリックス」が火種を
起こした演奏スタイルは、油を注がれ、高々と燃え上がりました
が、今の多くのギタリストが「ジミ・ヘンドリックス」ほどの
生々しい魅力を放っているかと言うと僕は格が違うように思います。

「ジミ・ヘンドリックス」はプロとして3年しか活動していない人
です。生前発表したスタジオ盤LPはたったの3枚です。
もしもの話は野暮ですが、でも、「ジミ・ヘンドリックス」がその
後生き続けたら音楽界はどうなっていたのか・・・そう思うと
今更ながら「ジミ・ヘンドリックス」の死は惜しいです。

「短命ゆえ伝説化され過大評価された」とか、言っている人は、
「ジミ・ヘンドリックス」のゾクゾクするような神がかかり的な
奇跡的魅力を感じ取る感性が乏しいだけです。

アンプ、エフエクター、ストラトキャスターの製作者が予想も
つかないサウンドを作り上げ、機材の可能性を最大限に引き出し
ました。

フェンダー社は、ストラトキャスターの販売不振で生産中止寸前に
「ジミ・ヘンドリックス」が右利き用を左で弾く大胆さで、大ブ
レイクしました。しかし、「レオ・フェンダー」は、
「トレモロ・ユニットはビブラートをかける為の物であり、ジミ・
ヘンドリックスのように音を歪めるものじゃない。」と批判したが、
「ジミ・ヘンドリックス」のアーミングが、ストラトキャスター
起爆剤になり、「ジミ・ヘンドリックス」にインスパイアされた
「ジェフ・ベック」「リッチー・ブラックモア」「エリック・クラプトン」
がストラトキャクターをメインに使う事により、レスポールと並び
ロックギターの代名詞になりました。

アンプメイカーも、エフェクターメイカーも、クリーンな透明感ある
サウンドを追求していた時代に、「ジミ・ヘンドリックス」は歪みを
追求し、アンプメイカーに「もっと、もっと歪むノイジーなサウンド」
と発注する為、相当、変人扱いし、当時の音楽評論家らも「ジミ・
ヘンドリックス」を痛烈に批判しました。

しかし、当時の若者達は「ジミ・ヘンドリックス」のサウンドに飛び
つきました。「バニラ・ファッジ」「クリーム」「ヤードバーズ」
と並びハードロックの基盤を作った人物です。

今や、ハードロック/ヘヴィメタル系のギタリスト達も成熟期、
飽和状態で、新しいギタリストはギターサウンドだけでの区別は
難しいです。今のギタリストに憧れるのもいいですが、今の若い
世代にも「ジミ・ヘンドリックス」のような、脳内をシェイク
されるようなギターを聴いて聴いて欲しいです。