「ヘヴィメタルって何?」という質問を何十回もされ
ていますが、もう「ヘヴィメタル」というジャンルが
一般的には忘れ去られつつあるんですね。
声を大にして言いたいのは「ヘビメタ」は、「ヘヴィメタル」
とは似て非なるものです。っと、言うか「ヘヴィメタル」愛好家
からすると「ヘビメタ」は、忌まわしい造語です。
色白で、ガリガリで、髪をおっ立てて、爆音を鳴らしている日本の
「ヘビメタ」連中は、本場のヘヴィメタルとは全く別物です。
LAメタルや、グラムメタルの奇抜さのみを持ち込んだだけで、
竹の子族と変わりません。
「ジャパニーズ・ヘヴィメタル」は、「バウ・ワウ」「ツインザー」
「ラウドネス」「アンセム」「フラワー・トラベリン・バンド」
「ガルネリウス」「ゴールデンブリック」「陰陽座」「コンチェルト・
ムーン」「サーベル・タイガー」「ダブル・ディーラー」「ブラインドマン」
とか実力派がいる一方、ロクでもないバンドも沢山います。
「ヘヴィメタルとは何か?」
これを、演奏スタイルや、スピリッツや、歴史をごたごた語った所で
答えにはなりません。やはり、本物を聴くしかありません。
「ハードロック/ヘヴィメタル」の真髄を、ドーーンと心に訴えかける
名盤10枚を紹介します。
◆ジューダス・プリースト/ペインキラー
メタルゴットです。このバンドの、リズム、リフ、ギターソロ、低音から
高音まで自在な「ロブ・ハルフォード」の歌唱、ボンテージファッション。
この魅力を理解出来ない人はヘヴィメタルに向かない人です。
◆メタリカ/メタリカ(通称ブラックアルバム)
スラッシュメタルのパイオニアでありながら、他の追随を許しません。
全米チャート1位や、ビルボード受賞など、ヘヴィメタル界一、一般ウケ
し、第一線で今だ大活躍中です。
◆アイアン・メイデン/キラーズ
ヘヴィメタルファンは一度は必ず通るバンドです。現代のヘヴィメタルは
「アイアン・メイデン」の影響力なく存在しません。
◆ハロウィン/守護神伝・・・第2章
メロディック・パワーメタル、現在のメロスピの元祖です。当時は既存の
ジャンルが無く「ジャーマン・メタル」と言われていました。初期は、
初心者でも入りやすいキャッチー&メロディアスとドラマチック展開が
日本でも大ウケしました。
◆ドリーム・シアター/イメージ&ワース
ヘヴィメタル界に前衛的な表現手法を大胆に持ち込み、超絶技巧で
リスナーを魅了した「ドリーム・シアター」により、後のヘヴィメタル
界は大幅に変革しました。ネオクラシック・ヘヴィメタルに、やや飽き
気味だったヘヴィメタルファンも、多ジャンル融合形の「ドリーム・
シアター」の聴き応えにヘヴィメタル熱が再加熱されました。
◆ゲイリー・ムーア/ワイルド・フロンティア
「ジミ・ヘンドリックス」「エリック・クラプトン」「ジミー・ペイジ」
「ジェフ・ベック」「リッチー・ブラックモア」と聴いて、
次に誰を聴こうか迷っている人には「ゲイリー・ムーア」を
お勧めしたいです。哀愁的な泣きのギターは絶品です。
◆ブラック・サバス/ヘヴン&ヘル
闇の帝王「オジー・オズボーン」期は、あまり聴いていませんが、
「リッチー・ブラックモア」の捨て駒を「トニー・アイオミ」は次々
と拾うので興味あります。最近「ヘブン&ヘル」の新譜が出ましたが、
この「ヘブン&ヘル」は、「ロニー・ジェームズ・ディオ」在籍時の
「ブラックサバス」メンバーでの再結成です。「ヘヴィメタル」の
悪魔や、重さや、おどろおどろしさの元祖です。
◆イングヴェイ・マルムスティーン/トリロジー
ハードロック/ヘヴィメタルの花形はギターです。ギタリストが、
目立ってナンボです。ヘヴィメタル愛好者の多くはギター経験者
なのも、ギターに魅了されてはまった人が多いからです。ギターを
やっている人を中心に人気ある、速弾きブームの火付け役です。
80年代の速弾き戦国時代は、イングヴェイのカリスマ性により
無数のフォロアーが溢れかえり、特にネオクラシック系だらけに
なりました。
◆マウンテン/勝利への登擧
アメリカが生んだロックが、「ビートルズ」「ローリングストーンズ」
「クリーム」「ヤードバーズ」「レッド・ツェッペリン」「クイーン」
「ディープ・パープル」「ブラック・サバス」「イエス」「ピンクフロイド」
「キング・クリムゾン」「ザ・フー」などイギリスのブリティッシュ・ロック
勢力に押されていた時代、「グランド・ファンク・レイルロード」と共に
アメリカの熱きハードロック力を知らしめたのが「マウンテン」です。
ギターも歌も最高峰です。「レズリー・ウェスト」のハーモニックスプレー
が、ロックギターの魅力を一段上げました。
◆ジミ・ヘンドリックス/アー・ユー・エクスペリエンスト?
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」の1位
にも選ばれた、神です。不人気で生産中止寸前だったストラト・キャスター
をメインギターにした事で、ストラトキャスターがロックギターの代表格に
成りました。でも、ストラトキャクターの生みの親「レオ・フェンダー」は
「ジミ・ヘンドリックス」の演奏を痛烈に批判しました。でも、「ジミ・ヘン
ドリックス」がやっていた演奏テクニックが、後にロックギターの基本奏法に
成りました。ハードロック/ヘヴィメタルの元祖というと、やっぱり、
「ジミ・ヘンドリックス」になりますね。