ラーメンの味付けに醤油は切っても切り離せません。
もちろん醤油ラーメン、中華そばには必須品ですが、
味噌ラーメン、トンコツラーメン、塩ラーメンにも
使っている店が多いです。塩ラーメン、トンコツ
ラーメンには濃口を使わず、薄口や、白醤油で
スープの色を濁さないところも多いです。
ラーメンのチャーシュー、めんま、煮卵などの具
の味付けにも必需品です。
僕はそんなに醤油にこどわらず、関東醤油を数種類
試し気に入らなかったので、幼少期から食べなれて
いる地元の醤油を使っています。
しかし、先週から図書館で醤油について調べてみると
市場に出回っている醤油の95%はまがい物である
事が分かりました。本来醤油の原材料は、大豆と
塩だけです。しかし、主要材料である大豆すら使って
いないのが殆どです。
原材料に脱脂加工大豆と明記されている物は、大豆の
旨みが抜け落ちたおからを使って作っている醤油です。
それでは旨みなんて無いので、化学調味量で旨みを
足し、ぶどう糖などの化学甘味料、醸造アルコール
という工業的製造された酒などが加えてあります。
本当の醤油は加熱することで、醤油本来の旨みが
最大限に発揮されコクとまろやかさが増しますが、
化学調味量の味に支配された醤油は嫌なエグみと
臭いが出ます。
でも何故、本当の醤油が減少し、代わりにまがい
ものが普及したかと言うと、低価格を求める消費者
に対応する商品を企業が生み出してみると、
まがいものの方が企業側も原価、人件費、設備費を
削減でき、企業側も消費者側の互いにおいしい思
いをする関係になったからです。
その為日本の伝統的調味料は本来の姿から変化し
食文化が崩壊の一途をたどっています。
醤油に限った事ではなく、日本酒、みりんにも
企業が多く儲かる為に工業的に作られた醸造アルコール
甘味料が添付されています。日本酒、みりん類に
いたっても90%の商品がまがいものです。
また、巧妙なトリックとして、糖分表記がないから
と安心できない。米ぬかで作られた白ぬか糖液という
デンプン質を科学処理した糖分があります。これは、
米の一種だから糖分添付じゃないという理屈の酒造
元もあります。
そもそも、醤油、日本酒、みりんに入っている
醸造用アルコールは何かと言うと、砂糖をしぼった
サトウキビの残りカスの廃物を発酵させたものです。
臭いも風味も酷いので活性炭素で浄化します。
低価格で本物に近づいているから大衆は喜んでも
本物を愛する人は認めません。
本物志向の人達は、生産数の少ない本物
が欲しいです。それゆえ、蔵元が売れ過ぎないように、
本物の純米吟醸は高級品となってしまいました。
希少価値ゆえ高騰しています。
それでも、米と水だけで作っている真面目な酒造元は、
まがいものより手間は何十倍もかかり儲けは少ないです。
でも、日本の文化の素晴らしさ、芸術性を未来に継承
していってほしいです。大手や他が、儲けに走っても
残していくべき伝統は残すべきです。
果汁0.1%の果汁のフルーツジュースが堂々と売られて
いる昨今、本物に無関心な人が多いのかもしれないです。
プールいっぱいの科学物質水溶液に、コップ1杯の果汁を
入れたジュースなんて、味にはほとんど影響しない果汁で
も入れないよりは入れた方がマシと開き直ってるような
ものです。
でも1番残念なのが、まがいものの方が美味しいという
味覚を持っている人達が増えていることです。
豚肉だけで作られ桜チップなどで燻製にしたソーセージ
より、豚肉、マトン、馬肉、兎肉の品質劣化肉をミックス
し発色剤(亜硫酸塩)結着剤(ポリ・リン酸塩)合成保存料
科学調味料がふんだんに入り燻製風になるよう燻製液に
漬けこんだものの方が美味しいという人がいます。
ショートニングなどのお菓子素材が使われた、くるくる寿司
のトロの方が、本物のトロより美味しいという人もいます。
また、家庭で鰹節、いりこ、昆布、しいたけ等のダシ汁を
取らなく、安易にダシの素なんてお湯に溶くだけのまがいもの
を使っているせいで、本当のダシ汁の深みや香りを分からない
若者が増殖しています。街角アンケートで、科学調味料だらけ
(ダシの素、味の素、グルタミン入り味噌)の味噌汁の方が
本物より旨いと答える統計が出ています。
幸い我が家は昔も今もダシの素なんて使った事がないので
毎朝の味噌汁はいりこと昆布のダシです。
話を本線に軌道修正しますが、本物の醤油の生産量が少ない
為に、本来あるべき当たり前の醤油が最高級品になっています。
通常のまがいもの醤油の2倍ぐらいする為に当店で使うと
相当経営が苦しくなってしまいます。
醤油だけじゃないです。酒もみりんも、他の調味料も
本物だけでラーメンを作ると450円での販売など絶対に出来
なくなります。
僕は素材を最高級品、調味料を最高級にするつもりはあり
ませんが、メーカーには当たり前のものを当たり前に作って
頂き、それを使って、当たり前に調理したいだけです。
ラーメン屋も豚骨、トリガラ、魚介を使わず、業務用簡易
スープ、粉末スープを使う金儲け第一主義な愚行を働く
店が増えていても、僕らはこつこつと技術を磨き、ラーメン
の本来の姿を守り進化をさせたいです。