元ラーメン屋店主のツイート集

ラーメン屋を10年経営し、今は閉店し、介護士をしています。

RAINBOW ROAD  様式美麺れいんぼ~への道  28

2009年02月10日 | RAINBOW ROAD
飲食店とはFLコストを60%未満に抑えなければ
商売が成り立ちません。

しかし、人件費がいらない当店ですら、60%に抑え
きれません。材料に納得が行く物を使いすぎるあまり
原価率が抑えきれません。

懐石、割烹料理店並の品質の調味料を使っていたのは事実で、
例えば塩は「一の塩」なので、業務用の格安品に比べると
26倍の価格がします。でも、電気分解結晶と、天日乾燥
は塩の品質が全然違います。

また、料理酒の代わりに、清酒を使うので、4倍は高いです。

醤油も、一般家庭品に比べると4倍ぐらい高級品を当店は
使っています。

でも、材料自慢や、高いから使うのでは無く、ラーメン屋の
並の調味料では欠点が多すぎ、気になってしまいます。

例えば、一般家庭用の醤油は、脱脂大豆と言い、大豆の搾りカス
すなわちオカラを原料に作ります。でも、オカラでは旨味も色も
弱いから、着色料や、甘味料、旨味調味料、保存料など配合した
偽物醤油です。丸大豆と塩と麹のみで作るのが本来の醤油なのです。

添加物だらけの醤油は、やはり味も濁り、ぼやけます。添加物の
健康うんぬんを言うつもりはありませんが、純粋に味として
他店と差別化するには本物が必要でした。

しかし、残念ながら、添加物がこれほど氾濫し、紛い物だらけの
食生活に慣れた環境では、本物の価値を分かってくれる人が減少
傾向にあるのは事実です。

例えば、利尻産昆布、尾道産いりこでダシをとり、山村の手作り
信州味噌を溶いた、本物の味噌汁より、大手が大量生産したダシ入り味噌
をお湯に溶いた物の方が現代人の舌に合うのかもしれません。

また、回転寿司の、ラードやゼリー状のものを混ぜたネギトロに慣れた
人は、本物の寿司屋のネギトロを旨いと思わないかもしれません。

米と水だけで作るのが日本酒であり、麦芽とホップと水で作るのがビール
なのに、そういった本物より、一般に出回った添加物入りの方が旨い
という感覚に成ってしまっています。


だから、僕が本物の材料にこだわり、肉もガラも国内産しか使わない事は
店主の自己満足であり、お客さんが好む味とは違うのかもしれません。
でも、僕はビジネス思考だけではなく、人生をかけて恥じぬラーメンを
作りたいので、本来あるべき、本当の調味料は使っていきたいです。

ナショナルブランド、すなわち、有名、大手が全国に流通させた物なんて
興味がありません。僕は、小さくても地元佐賀県で、真面目に作り続けて
いる職人の調味料を使っていきたいです。

損益分岐点(採算ライン)ギリギリではありますし、ロス率が異様に高い
ですが、安心、安全、高品質を維持して真面目にやっていれば、利益は
ついてくると信じたいです。

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