古代日本国成立の物語

素人なりの楽しみ方、自由な発想、妄想で古代史を考えています。

車中泊の旅(出雲・大山ツアー)中編

2020年07月29日 | 旅行・車中泊
出雲・大山への車中泊ツアーの2日目です。「道の駅あら・エッサ」で目が覚めたのが6時半頃でした。雨が完全に上がって暑い一日を予感させる朝でした。ワンコの散歩のあと、歯磨き、着替えを済ませて出発です。

最初に目指したのが古代出雲王陵の丘の一画を占める塩津山墳墓群。弥生時代後期に築かれた2基の四隅突出型墳丘墓と、それに続く7基の古墳から構成される墳墓群です。塩津山1号墳を保存するために古墳の下にトンネルを掘って高速道路を通しています。この古墳は弥生時代の四隅突出墓の特徴を残した古墳時代前期の方墳で、出雲東部、意宇地方の王の墓と考えられます。埋葬施設が6基もあることから、家族とともに葬られている可能性がありそうです。ここからほんの100mほどのところに墳丘がなくなって石棺が露出した塩津神社古墳があるのに、すっかり忘れてしまって車を走らせてしまいました。思い出したのはついさっき。最近、ド忘れが激しいかも。











塩津山墳墓群の次は同じく古代出雲王陵の丘に属する仲仙寺墳墓群です。ここは駐車場がないのであきらめていたのですが、奥さんが車を見ておくから行っておいでと言ってくれたので見学することができました。もともと15基からなる墳墓群でしたが宅地開発のために大半が消滅して現在では2基の四隅突出型墳丘墓が残るのみです。残された2基のうち9号墓はきれいに復元整備されて一帯の丘陵が公園になっています。この墳墓群はこの四隅突出型墳丘墓で一躍有名になりました。









半ばあきらめていた仲仙寺墳墓群に来れて大満足です。古代出雲王陵の丘にはまだまだたくさんの古墳群があるのですが、今回はここまでにして、次はこの日のメインイベントにしていた足立美術館へ向かいました。開館の10分ほど前に到着したのですが、広大な駐車場には日陰がまったくありません。ワンコを車に残していくには大きな不安が残る日差しです。おそらくワンコのことが気になって美術鑑賞どころではないだろう、ということで美術館はまた次に来たときにしようとあきらめました。

時間ができたのでまたしても私の希望を聞いてもらって黄泉比良坂に行くことにしました。途中、朝ごはんを食べようと入った喫茶店で面白いメニューを見つけました。モーニングセットの飲み物に「味噌汁」なんて書いてあるのは初めてです。



さて、黄泉比良坂(よもつひらさか)は古事記神話に出てくるあの世とこの世の境い目です。追いかけてくるイザナミを振り払うためにイザナギが置いたとされる千引(ちびき)の岩(千人の力でないと動かせない石)が並んでいます。







時刻はまだ10時半。午後からは出雲大社に行く予定にしていたのでそれまでにもう一カ所、どうしても行きたいところがあったので向かいました。それは神魂(かもす)神社です。なぜここに行きたいと思ったのか、実は自分でもよくわからないのです。神社の由緒はよくわかっていなかったのですが、なぜか古代出雲の重要な場所のような気がするというか、思い込みがあったのです。主祭神はイザナミで、イザナギを配祀しています。本殿は現存する最古の大社造りの建造物。ということは本場の出雲大社よりも旧いということになります。









出雲大社の原風景を見た思いで神魂神社をあとにしました。次はその出雲大社へ向かいます。ナビをセットすると、なんと予想に反して宍道湖の北側を走るルートを出してくれました。松江市内を通過して湖畔を走っておよそ1時間で到着です。さすが出雲大社、4連休とあって思っていた以上の人出です。

出雲大社はワンコを連れて行くことができます。ホームページをみると、ゲージに入れてとか、抱っこして、なんて書いていません。神域であることを理解した上で他の参拝者に迷惑がかからないように、と書いてあるだけです。広い境内をワンコと一緒に散歩できるのはありがたいです。







本殿で参拝してこの写真を撮ったまさにその時、大きな雨粒が落ちてきて、これはマズイと思うくらいに勢いを増してきます。写真にも雨が写っています。ちょうど本殿前にテントが張ってあったのでそこで雨宿りです。わずか20分くらいだったと思うのですが、とんでもない暴雨風でした。ワンコは雨と風とその大きな音にブルブル震えています。これ、参道を歩いている時だったら悲惨なことになってました。

雨が小降りになったのでテントを出て本殿の左から裏側にまわって参拝を続けます。現在の出雲大社の祭神は大国主神ですが、長い歴史の中では素戔嗚尊が祭神であった時期もあったといいます。本殿に祀られるその祭神は参拝者が手を合わせる正面を向いているのではなく、本殿に向かって左側、つまり西側を向いているといいます。西側には神無月(出雲では神在月)に全国の神々を迎える稲佐の浜があり、さらにその先、海の向こうは朝鮮半島で、古代朝鮮の新羅国があるのです。

素戔嗚尊は新羅からやってきて出雲を支配しました。その過程で出雲の先住集団は自らの祭器である銅剣や銅鐸を埋納したのです。それが現代になって発見された荒神谷遺跡であり、加茂岩倉遺跡です。そして素戔嗚尊とその後裔である大国主命が建国した出雲はその後に大和政権の支配下に入ることになり、その国譲りに際して建てられたのが出雲大社です。これが、祭神である大国主命(または素戔嗚尊)が新羅の方を向いている意味になります(これは私のトンデモ説です)。本殿を左にまわると小さな参拝所があるので、そこでも手を合わせました。

さて、参拝後のランチは出雲蕎麦、と思っていたのですがどこの蕎麦屋も行列で三密状態です。ランチをあきらめて稲佐の浜に立ち寄ったあと、島根半島の西端、日御碕灯台へ向かうことにしました。









日御碕灯台は上に登ることができるのですが何と靴を脱いで登るらしく、ワンコは無理なので外から眺めるだけにしました。ここでも急に雨が降り出したので、歩いて行こうと思っていたすぐ近くの日御碕神社へは車で移動です。

日御碕神社には本殿が二つあって、日沈の宮(ひしずみのみや)と呼ばれる下の本社には天照大御神が祀られ、神の宮と呼ばれる上の本社には素盞嗚尊が祀られます。













時刻は3時をまわっています。ランチを抜いたので結構お腹がすいてきました。出雲市内で晩ご飯にしようと思い、またしても「バナナマンのせっかくグルメ」を頼って決めたのが出雲駅前の「のどぐろ日本海」というお店。到着したのが4時で開店が4時半。コンビニやドラッグストアで買い出しをしながら時間調整。

開店と同時に入店。カウンターの端っこに通されたので三密を回避。入店の時点ではほかにお客さんはいませんでしたが、帰るころには満席になっていました。このお店、過去最高のコスパと思った前日に行った境港の魚山亭を抜いて私の中では断トツになりました。注文したのは、刺盛り(一人前)、イカ刺しとゲソ天、アジフライ、のどぐろ丼(二人前)、宍道湖名物しじみ汁、出雲そば(三段)。









一人前の刺盛りがこの量で680円、イカは美味いと思った魚山亭よりも甘みがあってさらに上を行く美味さ、アジフライもサクサクでフワフワ、しじみ汁も出しがよく出ている、極めつけはのどぐろ丼、極上の美味さでした。ランチで食べ損ねた出雲そばもいただいて、料金は6,080円なり。魚山亭よりも高くついたけどコスパという点ではこちらが上です。次に出雲に来たときはまたここに来ると思います。そして何よりも「バナナマンのせっかくグルメ」、なかなかやるやん。



晩ご飯のあとはお風呂です。2日目のお風呂は湯の川温泉にある日帰り専用の「ひかわ美人の湯」です。広い露天風呂は熱くなくぬるくなく、いつまでも浸かっていることができます。源泉かけ流しのほうの露天は少し熱いものの、まさに源泉そのもので、浸かっていると疲れが抜けていく感じがしました。前日の皆生温泉のお湯と違って、ここは温泉感を満喫することができました。



これでこの日の予定はすべて終了。車中泊の場所はいくつかの候補から、翌日の予定を考えて決めたのが中海の北側にある「道の駅 本庄」です。松江市内を抜けて1時間ほどで到着。すでに車中泊の車が何台か停まっていましたが、いい場所を確保できたので前日のようなこともなく、朝まで爆睡でした。



以上、中身の詰まった2日目も無事に終了です。続きはまた次回。










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