古代日本国成立の物語

素人なりの楽しみ方、自由な発想、妄想で古代史を考えています。

印象に残る歴史博物館ベスト10

2020年07月18日 | 博物館
私はこれまでに全国各地にある歴史博物館や資料館、遺跡に併設されたいわゆるサイトミュージアムや遺構保存館など、100カ所以上の古代史にまつわる展示施設を見学してきました。その中でも特に印象に残っている博物館ベスト10を紹介したいと思います。印象に残っている理由はさまざまです。


①登呂博物館(静岡県)
 言わずと知れた弥生時代を代表する登呂遺跡に併設する博物館。登呂遺跡から出た木製農具などの豊富な遺物が展示されていますが、とにかくその展示が美しい。まるで立体図鑑を見ているような美しさで感動しました。

 ※この記事を書くにあたって振り返って見ると、登呂遺跡・登呂博物館を訪ねたときの記事を書いていないことがわかりました。なぜ書かなかったのだろう。

古代出雲歴史博物館(島根県)
 出雲大社の隣に建つ出雲を代表する博物館。記紀神話に登場する出雲を感じることができる場所ですが、この博物館の売りは何と言っても考古学史上最大の発見といっても過言ではない荒神谷遺跡出土の358本の銅剣と加茂岩倉遺跡出土の39個の銅鐸です。さほど広くない展示室にこれらがまとめて展示されている様は圧巻でした。

貝殻山貝塚資料館(愛知県)
 もともと貝殻山貝塚を紹介する博物館だったと思うのですが、すぐ近くで出た東海地方最大の弥生環濠集落跡の朝日遺跡の紹介がメインになっています。小さな施設ですが、学習コーナーで休憩中にお話を聞いた職員の方に特別に収蔵庫へ案内いただき、尾張地方特有のS字甕を手に取らせていただきました。他ではできない経験でした。2020年11月 開館を目指して新しい施設「あいち朝日遺跡ミュージアム」が建設中です。

加茂岩倉遺跡ガイダンス(島根県) 
 銅鐸39個が発見された加茂岩倉遺跡に併設するガイダンス施設。朝早くに訪ねて先に遺跡を見学した後に施設に入ろうとすると鍵がしまっていました。すると、あたりを掃除していたお爺さんが鍵を開けてくれ、中に入るとお茶まで出してくれました。極めつけは、展示の説明までしてくれたのです。掃除のお爺さんと思っていたのが、ここの管理者の方でした。

さきたま史跡の博物館(埼玉県) 
 雄略天皇による全国支配を示す稲荷山古墳から出た国宝の金錯銘鉄剣の実物が展示されています。展示の素晴らしさと裏腹に、映像室で見た画像の粗さには辟易しました。 それに、古代史に詳しいと思われる見学者のおじさんが学生グループ相手に首をかしげるような自説を尤もらしく演説しているのを見て笑ってしまいました。

上野原縄文の森展示館(鹿児島県) 
 縄文時代を代表する上野原遺跡にある展示館。遺跡の学術的価値を伝えようとする意志を感じる博物館です。展示も登呂博物館に負けないくらい美しくて素晴らしい。博物館勤務を希望し続けた結果、定年後に嘱託職員としてそれが実現したという種子島出身の職員の方が印象的でした。

生目の森遊古館(宮崎県) 
 生目古墳群に隣接する宮崎市の埋蔵文化財センター。展示室が収蔵室の中にすっぽり収まっている感じで、三方のガラス張の壁を通して収蔵室に保管されている資料が丸見えになっています。遺物の整理などをしている部屋もオープンになっていて作業している様子も見ることができます。

板付遺跡弥生館(福岡県) 
 板付遺跡に併設する小さな施設ですが、この遺跡を特徴づける縄文晩期の土器と弥生早期の土器がともに展示されています。よくできたジオラマが遺跡の理解に効果的でした。学芸員の方が懇切丁寧に説明してくれたおかげで楽しい時間を過ごすことができ、生まれて初めて学芸員という職業や資格の存在を認識し、学芸員の資格を取ろうと思い立った場所です。

西都原考古博物館(宮崎県) 
 西都原古墳群の中に建つ立派な博物館。古墳群のことだけでなく、豊富な展示資料をもとに南九州の歴史を学ぶことができる場所で、資料の質、量、展示、立地などを総合的に見て、これまでに見てきた博物館の中ではベスト3に入ります。これまでに3回訪ねていますが、何度でも行きたくなる博物館で、近くに住んでいると入り浸ること間違いなし。

歴史交流館金峰(鹿児島県) 
 土砂降りの朝一番に訪問。ほかに見学者がいないのをいいことに学芸員さんにお願いしてマンツーマンでの案内をしてもらいました。整理中の資料なども特別に見せてもらってみっちり2時間、おかげで鹿児島県(南薩摩)の古代史の理解が深まりました。


以上、私の印象に残っている博物館を紹介しましたが、この10館は思いついた順に並べただけで、印象深いという点でそれぞれに優劣はなく順位はありません。また、見学者の視点や学芸員の視点で評価するとしたら違ったベスト10になると思いますが、それはまた別の機会に。







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