hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

Falcon's Maltesers

2009年11月07日 | 洋書
 Alex Rider シリーズの作家 Anthony Horowitz による探偵もの。
 ロンドンで私立探偵事務所を構えている Tim Diamond と弟 Nick が次々と持ち込まれる難事件を解決していくお話。今回は闇組織によるダイアモンドがらみの事件。少しづつ明らかになるヒントをたよりに隠されたダイヤモンドを探していく。

 この Diamond brothers シリーズは、弟のニックの目線で語られているのですが、私の借りた本は2007年の改訂版では、本編の前に Tim による「まえがき」がついているんです!それがとてつもなくおっかしいのですよぉ。わざと?二人の年齢差も本編と違っているんです。一番おもしろいのは、
"Two brains are better than one," I said to Nick.
"Sure, Tim." he replied. "But I guess we'll just have to manage with one between us"
I'm not sure what he meant by that. Nick has a strange sense of humour.
 ってところ。Tim の大ボケぶりが光ってますね。

 全体的に楽しくて、あっという間に読み終わったんだけど、正直言ってアクションシーンはちんぷんかんぷん。ホテルでも倉庫でも、建物の構造が全然イメージできなくて。
 私の好きなところは、ニックが結構子供らしいところ。賢いし、大人びているんだけれど、推理力は私と同じくらい(笑)で、コナン君やほかの少年探偵のように突拍子もなく答えを出したりしないところがいい。
 それから、Tim という名前。本当か嘘かわからないんだけれど、Timothy という名前は「ちょっとぼんやりした男の子」という代名詞だと聞いたことがあります。だから Detective Diamond は Tim って名前なんですね、ぴったり!と私は思ったんですけど、どうでしょう?
 名前といえば、Anthony Horowitz の息子の名前は Nicholas で、賢い方に Nick とつけているのもご愛敬?
 ウンチクついでに、往年のハンフリー・ボガード主演映画、「The Maltese Falcon」が探偵と鷹の置物が絡む内容らしいので、パロディー的な面白さも隠されているんだと思います。
 声を上げて笑ってしまったのは、めっちゃどうでもいいような、Hendon Police Training Centre が火事になったという記述。普通に近所のおばさんたちとの話題によく出てくることが人気本に出てきたのが、つぼにはまりました。

 週明けには早速続きを注文してきます!
 
コメント (3)

おひさまパン

2009年11月07日 | 絵本・児童書
 天気の悪い日が続いて、がっかりしている町の動物たちを元気づけようと、パン屋さんが大きなおひさまの形のパンを焼きます。それはおひさまみたいに輝いていて、いいにおい。パン屋さんはそれをみんなの分けてくれました。
 すてきなパンのもたらした喜びで、みんながハッピーな気分になっていると、本当のおひさまも姿を現しました。そこで、パン屋さんはおひさまにも「おひさまパン」をおすそわけします。

「Captain R や Nancy には少し幼すぎるかもしれないよ。」この本を貸して下さった方がそう言いました。でもこの絵本あちこちでよく見かけるので読んでみたいと思いました。
 日本語の読めない Nancy はパラパラ見た後、「なんだか面白くなさそう」、Captain も「つまんなそうだけど」と何を根拠にしているのかわからないけど、二人とも興味がなさそう。そこで先に「ロバのシルベスターと魔法の小石」を先に読んだのでした。

 ところが、シルベスターの後だからか、この絵本を読みだしたら、子どもたちはがっちり喰いついてきました。最初から最後まで続くほんわかあたたかなストーリーと絵が安心感を与えてくれたようでした。
 絵の細部までよーく見ながらゆっくり読みました。おひさまにみんなでパンを投げて、そのお返しにあひさまが光を降り注ぐところがとても好きです。その時にカメが2本足で立ちあがっていることが、私にはすごく気になりました。

 ところで、前回読んだ「シルベスター」ですが、昨日になって Captain が一人で読み返していました。日本語の本を手に取ること自体珍しいので、案外気に入っていたのですね。

 ほのぼのとした明るいお話なので、少し悲しいタイプの本を読んだ後などに特にいいかもしれませんね。
コメント

ロバのシルベスターと魔法の小石

2009年11月07日 | 絵本・児童書
 ロバのシルベスターはかわった小石や綺麗な小石を集めるのが大好き。
 夏休みのある日、シルベスターは真っ赤に光った素敵な小石を見つけます。それは願いが叶う魔法の小石だったのです。
 心やさしいシルベスターは両親やお友達にも使わせてあげようと思い、急いで家路につきます。
 ところが道中ライオンにばったり!慌てたシルベスターはライオンに食べられないために、なんと「岩になりたい!」とお願いしてしまいます。
 ライオンには食べられずにすんだけれど、さあ大変。元に戻ることができないんですもの。この魔法の石は触れていないと効果がないんです。
 元の自分の姿に戻るには、一つしか方法がありません。
 そう、誰かが「この岩がロバになれ」と願ってくれるしかないのです。
 そんなチャンス、本当にあるでしょうか。

 我が家の Nancy と Captain R、最初の魔法の小石を見つけたシーンでは、期待に胸を膨らませていたけれど、岩になって「戻るための方法」を考え始めた時には二人とも眉間にしわを寄せていました。色々知恵を絞って考えるけれど、なかなか答えが見つからない。私が唯一残された方法を読み上げた時には無言・・・

 シルベスターの両親は一晩寝ないで待ちました。お父さんは心配で心配でしょうがなく泣いているお母さんを励まし続けます。次の日には気を取り直して近所に訪ねて歩く夫婦の姿、警察に届ける夫婦の落ちくぼんだ目、とても痛々しいです。

 そしてシルベスターが岩になったまま、秋になり、やがて冬になります。
 岩になったシルベスターも期待することに疲れ、希望を失っていきます。
 Nancy と Capatain は絶対ハッピーエンドだと信じているけれど、なかなかその兆しが訪れないことに焦ってきます。普段なら待てずに後ろのページを先にチラ見しようとする Captain はなんだか知りたくないような気配ですらあります。二人ともひたすら無言・・・
 
 春になり、お父さんはお母さんを元気づけようとピクニックに誘います。
 その時の二人の歩く姿も本当に悲しいのです。目もすっかり輝きを失い、姿勢もした向きがちで。
 もちろん、このお父さんの思いやりがとても素晴らしい結果をもたらします。
 そして最後は期待通りハッピーエンドなので、心からホッとしました。お父さんも、お母さんも、シルベスターの目も魔法の小石なんかよりキラキラ輝いていました。

 魔法なんてなくても、大切な家族がいればそれでいいじゃない?

 それにしても、正直言って、読んでいて辛かったです。目もヒリヒリしてくるし、なんといっても息苦しくなっちゃって。(今書いていてもちょっと息苦しい・・・)
 子供たちの不安な顔を見ながら読むのもなんだかなぁ。

 私の感想はこんな感じです。
   

 
コメント