hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

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2009年11月24日 | 映画
この映画、まずは監督のコメントから始まります。彼のこの映画に対する熱意と意図するところを話します。以下、監督のコメントを少し引用しながら書いていこうと思います。
 ウクライナ人女性と、オーストリアの若い男性二人の物語。一度もリンクすることなく、二つの物語は流れていきます。監督がいわく、この二人の話は represent many other people who have similar lives. 構想を練っている段階では EastとWestのボーダーは重要な問題であったけれど、撮影が始まるにつれて it became clear to me that this geographical border wasn't important at all for the content of the film. What mattered was that the film put more emphasis on the social borders.
 なるほど、いいこと言うな。なんだか期待できそうですよ、この時点では。
You have to show them the way things actually are, otherwise audience wouldn't be moved. そういうわけで、この映画にはたくさんのセクシャルなシーンが含まれているのですが、それが事実なのだし、これを見て、I wanted audiences to be uncomfortable という。 大変な意欲作というのはこのコメントからわかります。

 さて、観終わっての感想ですが、残念ながら監督の意欲は空回り。作品からはそのような深みは全く感じられず。興味深かったのは出だしの監督のコメントのみ、といっても過言ではないかもしれない。
 出来上がっての反応にセクシャルなことにばかり注意がいって不本意だというようなことを言っていたが、どうみてもそれ以上じゃなかったので仕方がない。ポスターからして、センス悪すぎでここに載せられなかった。ポスター制作側にも監督の意思は全く伝わっていなかったのでは。
 監督のコメントは表現したかったことができなかったので、慌てて言い訳をしに出てきただけだったのかも。

 と、私はめちゃくちゃに言っていますけど、実はこの作品はカンヌノミネート作品です!

 同じような印象をもったのは、日本映画「闇の子供たち」事実から目をそらすな、というメッセージと意欲は理解するが、やりすぎだと思った。途中でギブアップ。 

 ついでに最近観た映画記録:
 「The man from Elysian Fields」
 アンディ・ガルシア主演。売れない作家が自分の本の出版と引き換えにある大物の妻の相手をすることになる。なんとなく見続けたのだけれど、ちゃんと観ればなかなか面白い話だったかもしれない。
 「Roger Dodger」
 高校生の甥っ子が女性にモテルという噂の叔父に一晩弟子入りする話。この叔父さんがまた、理屈ぽくて、実際のところ女性に全然モテなくて、最後にはどちらかというと彼の方が純粋な甥っ子から学んだことがあった様子。面白くなくはないのだけれど、なぜ映画化されたのかが謎。
 「ミスターロンリー」
 マイケルジャクソンとマリリン・モンローのものまねをする二人の物語。30分近く観たけれど、何事も起こらず退屈でギブアップ。
          
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