hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

Perfume: the story of a murderer

2012年07月07日 | 映画
 な、なんなんですか、この映画?!

 観たことある方いらっしゃいます?
 あまりにも衝撃的というか、驚愕しちゃって感想を書く自信がないんですけど?

 出だしからまぁ強烈で jaw-dropping です。
 人も町も「ここまでやったか・・・」というくらい汚くて醜いセッティングで始まる主人公の出生シーン。エピソードもユニークですが、産み落とした後に母親が足で赤ん坊を蹴り押して遠ざけたるのがさりげない調子で映し出されていたり、生後数日で孤児院で彼に触ろうとした子供の指を握ったかと思ったら鼻をクンクンさせてニオイを嗅ぐという早速才能を発揮しているシーンを入れたり、ダークなユーモアもたっぷり。
 イメージ的には以前に紹介したチェコの映画「Little Otik」を彷彿させます。内容の quirky さで勝負かと思いきや映像も手抜きなしで繊細な作り。
 主人公が成長して少し町に出ると、そのドブネズミ色の背景にパッと鮮やかな色が所々に入ってきて、華やかなシーンはとことん豪華。美と醜を徹底的に対照的にして映し出してきます。それはもう恥ずかしいくらい obviously に。で、そこがまた笑える。

 ちょっと長いので途中昼寝をしまして(主人公が洞窟の中で眠りにつくときに私も一緒にね、寝ちゃいました)、後半に入るのですが、これがまた、

 えー、そんなんありか?!

 と jaw-dropping であります。なんかもうストーリーの展開ももちろんなんですが、そんな話を堂々と作って発表してしまうことが「あり得ないでしょう、ちょっとぉ」という具合に。

 いやー、最初から最後まで色々な意味で楽しめるすごい大作です、これは。
 原作はベストセラー、映画もすごい大ヒットだったそうですね(特に日本では大々的な宣伝のしようだったとか)。全く前知識なしでてっきり「匂いに執着した青ひげ物語」だと思っていたので、とにかくびっくりしました。
 色々とメッセージが含まれているんでしょうが、あえてその辺は無視した感想にしました。
 
 評価は 8 out of 10 一応私がまだついていける奇天烈さだったので高評価。

 最後にちょっとだけキャストについて。
 主人公の青年はイーサンホークの英国版といった感じの子ですが、この映画ではその狂人ぶりがぴったりですごく良かったです。どうやらストーリの中で孤児で何も持たない男が infamous とはいえその名を轟かせる展開なので、無名の俳優を使いたいという監督の意向で選ばれたそうです。私はもう一つその後の彼の映画を観たばかりだし、昨日たまたまテレビ番組のCMでも見かけたので、作戦大成功じゃないですか。
 
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Public Enemies その他

2012年07月05日 | 映画
 観たという記録だけ。
 ポスターがかっこいいので載せておこうとか、どっかで見たことのある知らない役者ばっかりだったなぁ、とか程度。
 衣装がとても小奇麗で良かったし、映像も綺麗だったけれど、なにぶんストーリーに興味がないのでね・・・・かけ流しです。


「Alpha Dog」

 ジョニー・デップと言えば、そうそうこの映画も観ました。彼は出ていませんが噂の彼女が出演しています。いつまでたってもきっと覚えられない顔です。
 ドラッグディーラーとその下っ端たちの掟、みたいなのがあまりにも馬鹿馬鹿しいので、エモーショナルなシーンも残虐なシーンもどっちにしても冷めた目で見てしまってダメですね。でもなぜか最後まで観れます。


「Good Night, and Good Luck」

 2回目の挑戦。主役の男性が clearly 好みのタイプ(私を知る人は必ず彼を見た途端「あ、hinajiroの好みだ」と思うでしょう、というくらい)なので今度こそはと思ったけれど、やっぱり始まってすぐ全く集中できず、かけ流し。ジョージクルーニー監督作品。


「Seraphine」

 フランスの女流画家セラフィーヌの後半生伝記映画。
 身寄りもなく学もないセラフィーヌは、パリ郊外の緑豊かなサンリスで家政婦として働きながら、絵を描くことに没頭する日々を送っていた。40才を過ぎてから守護天使のお告げで始めたというその絵画は、絵具の各色を全て身近な自然の素材から手作りし、作れない白色だけを買うという独自のものだった。
 そして偶然勤め先の家に間借りをした画商のヴィルヘルム・ウーデと出会い、草花を描きつつも独自の激しさを持つセラフィーヌの絵画に惚れ込んだ彼によって、彼女の画家としての人生が始まるかのように思えたが・・・・(ウィキから抜粋)
 柔らかく映された美しいフランス郊外の風景と、力強く美しいセラフィーヌの絵が対照的。
 フランスの映画祭で大絶賛のこの作品、私はこういうのを大好き!といえるほどの映画通じゃないもんで 「まぁ、いいんじゃない?」くらいの評価です。


「The Boys are Back」

 しっかしくっどいなぁ・・・・・
 久しぶりに見ても「しつこい顔」だと思ってしまうルー大柴似のクライブオーエン(でも気になる)主演の映画。
 突然がんで最愛の妻を亡くし、幼い息子との新しい生活に四苦八苦する男の物語。そこへ前妻との息子も絡んでくるのでますます大変なことに。
 主人公男性が私にはとても嫌な男でなかなか応援する気にならないため、内容も好きになれませんでした。
 

「What's love got to do with it」

 ティナ・ターナー物語。かけ流し。
 
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The Boat that Rocked

2012年07月04日 | 映画
 ラジオでもっともっとロックを流そうぜ!なんて考えてイギリスの法律が無効になる遠海に出て船上で海賊ラジオを放送する仲間たちの物語。

 24時間ぶっ続け放送をしているこの局?では何人もが交代でDJをしている。その顔ぶれがすごい!フィリップ・シーモア・ホフマン、リス、ニック・フロスト(大物扱いしていいのか?)などなど。DJではないけれど彼らをしきっている人物にビル・ナイ。なぜかいつも上質のスーツを着ていてカッコイイ!!そのほかのメンバーも一人ひとりがかなり個性的なキャラで面白すぎます。

 私の好きなシーンベスト3

3.かなりどうでもいいところですが、政府がこの海賊ラジオ局を力ずくで閉局さそうようとすることに対して一人ひとりが断固戦うと立ち上がっていくシーン。「どこへも行くところがないから、ここでやり続ける」といったおじさんのつぎに、ハロルドというアシスタントみたいな子が「僕は行くところがあるけれど、ペッカムだから」というシーン。噴き出しました。ペッカムって言う地域はこういう風に使われることが多いんです。

2.高校を退学し社会勉強のため?に母親にこの船に送り込まれた青年カールが一目ぼれした女の子をいいところでニックにもっていかれた。それで二人の乗組員がカールを気遣ってお茶とクッキーを用意して出すのだけれど、自分たちも食べたくなっちゃってカールより先に手を伸ばし、最後は3人でクッキーと紅茶をシェアするなんとも微笑ましいシーン。ただ飲むんじゃなくてディップするのがイギリスっぽい。

1.出だしの所でのカールの歓迎会でクイズをするシーン。
  カールはルーメイトとなる Thick Kevin とチームになり、ケビンの出すヒントで答えを当てるのだけど・・・

 nice guy, has long hair, old guy, no shoes, wore dress
 
 答えはジーザス。そこでカールが「なぜ一言 son of God と言わないの?(早さを競っているのにさぁ)」と呆気にとられた顔で訊く。周りは「彼のあだ名の由来はそういうことだからわかっただろう?」とニヤニヤ顔。
 thick という語は stupid という意味でよく使われます。うちの子供たちもよく使ってる・・・・

 あとは、鳥の羽根のついた帽子にド紫のスーツ姿(かなりカッコイイ!)で登場したもリスのDJぶりも良かったし、誰かさんにヘボ呼ばわりされている(まぁ、確かに(笑)サイモンの新婚ほやほやの奥さん(美しすぎるジャヌアリー・ジョーンズ)の衝撃の告白シーンも面白かったし、笑いどころは満載でした。

 最後に驚いたこと二つ。
 
その1.ニックフロストのせいでフィリップがやけにスリムに見えた。

その2.見た目のイメージからてっきりチョイ役だと予想していた Cris O'Dowd の露出が多い!
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Bella Donna Witchling & Too Many Spells

2012年07月03日 | Nancy 10 読書
 ここ2週間くらい二人とも全く本を読んでいませんでした。
 相変わらずテレビばっかり見ていましたよー。
 で、久しぶりに上がってきたのがこの2冊です。かなりのお気に入りのシリーズになりました。

 

 シリーズの新しいものは今年2冊出る予定なので、図書館に購入希望を出すか、アマゾンで購入するか、迷うところです。
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The Greatest

2012年07月02日 | 映画
 交通事故で18歳の息子ベネットを失った家族と、突然息子の子供を身ごもっていると言って現れた一人の少女の物語。

 深い悲しみにくれそれをまっすぐに出す母親、家族を支えなければと必死でこらえる父親、どうしてよいのか途方に暮れる弟。そこへ亡くなった息子が事故当時同乗していた同級生の女の子が彼の子供を妊娠していると現れる。
 なんとなく追いかえすわけにもいかず、同居生活を始めるが、母親はどうにもこうにも納得ができない。付き合っていたわけではなかった、その日初めてで妊娠してしまった、でも産みたい、って何?その上息子も夫も一度も涙一つ流さず、何事もなかったように普通の生活をし続け、彼女とも自然に馴染んでしまって、一体なんだっていうの!!!という母親をスーザンサランドン。息子の名前を出すことを回避することでなんとか耐え続けている父親をピアスブロスナン。気持ちをよく整理できず大切な人を失った人たちの集まるサークルに顔を出してみる弟もなかなかいい。
 そして何より、彼女役のキャリー・マリガンがめちゃめちゃ可愛いの!
 悲しみでいっぱいで日に日に壊れていく家族の中に突然入り込んでとても居心地が良いとは言えないけれど、ベネットの育ったここにいたいという強い意志があって、家族との距離を置きながらも毎日を過ごしていくその姿がなんとも言えません。

 息子は即死ではなく17分まだ意識があったらしい。その17分のことが知りたくて、母親は意識不明の加害者の元に通い続けます。そこで意識を取り戻した運転手から聞いた最後の瞬間の話がローズへ心を開いていくきっかけになります。ここにユーモアも皮肉も切なさも凝縮されてこめられています。

 ところどころ差し込まれる若い二人の回想シーン。実際には卒業する日(事故のあったその日)に初めて言葉を交わし夜まで一緒に過ごした二人ですが、本当は入学したその日からお互い惹かれあっていたという、とってもキュートな初恋話も含まれていたりします。特に最後のシーンがなんともかわいい・・・・・

 最後は父親も弟も押さえていた感情を表に出すことができ、それぞれが気持ちの整理をし家族が再生していくというこういったテーマの扱った作品の王道中の王道なストーリーですが、たまにはこんなのもいいなぁと思わせる映画でした。

 3.5 out of 5 ストーリーは何のツイストもなく非常に「普通」なので本当は3ですが、キャリーがあまりにもあまりにも可愛いので少し上乗せ。
 
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