『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第3章  踏み出す  92

2011-06-01 07:34:15 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アエネアスはトリタスに声をかけた。
 『おうっ、トリタス、向こうへ行こう。準備が出来たらしい。浜衆のみんなも一緒に』
 『ありがとうございます。おいっ!船からまな板と包丁を持って来いよ』
 彼らは昼めしの場に移動した。
 『あ~あ、トリタス、そのごっつい大エビ、何んと呼べばいいのだ』
 『あ~あ、これですか。これはこれで、これです。特に呼び名はありませんが』
 『まあ~あ、いいか。こいつなかなか、しぶといじゃないか、まだ手足を動かしている。大ダコは大ダコで足を動かしているではないか。全くしぶといといったらしぶとい』
 なんだかんだと話している間に、さばかれた食材は串刺しにされて火にあぶられていた。
 『カイクス、皆に酒を注いでくれ』
 皆が手にしている酒杯に酒が満たされた。
 アエネアスがひと声かけた。口を杯に運び呑み始めた。各自が思い思いに塩をつけたり、振りかけたりして大エビの地中海ロブスター、大ダコのでっかい切り身を口に運んだ。
 第一声がこれだった。
 『お~お、こいつはうまいつ!何んとうまいのだ、これは!』
 トリタス、浜衆は別にして、アエネアス以下、彼らは、異口同音にそのうまさに感嘆の声をあげた。
 彼らは『旨いっ!旨いっ!』 を連発した。


 昨日の投稿で、欠字をしました。深くお詫び申し上げます。
 第1行目です。
 『パリヌルス様この縄張りなんです?』を下記のように訂正いたします。
 『パリヌルス様、この縄張りはなんです?』

                      山田 秀雄