『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第3章  踏み出す  108

2011-06-23 07:44:52 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 この喊声にアンテウスは気分を乗せた。
 『続けて話す、聞いてくれ!運搬は今日これから日暮れまでに2回、明日は、早朝から日没までに3回、都合、5回の運搬を行う。台車の総台数は22台、各隊の割り当て台数は7台、一隊だけが8台である。台車一台当たり7人が担当する。運搬の道中、気を抜くな、細心の注意をして運搬に当たるのだ。道中でなんらかが原因で事故が起きれば、それこそ一大事だ、ケガは軽傷ではおさまらんと思え。心して運べ、慎重であることこそ大切だ。では、諸君、しっかり頼んだぞ』
 『おうっ!』『おうっ!』 彼らは力強く返事を返した。
 アンテウスは、話し終えて、今度は三人の隊長に顔を向けた。
 『君たちは、俺の話は聞いての通りだ。いいな。道中、充分に注意して浜まで用材を運んでくれ。用材運搬に関する安全と無事は君らの双肩にかかっている。心して事に当たってくれ。それでだ、アミクス、お前の隊は、アレテス隊の用材だ。リナウス、お前の隊は、ギアス隊の用材だ。アバス、お前の隊は、アカテス隊の用材を担当する。昼めし終えて、落ち着いたら、担当各隊の伐りだしの場へ向かってくれ。いいか、質問はあるか』
 ちょっと間をおいて三人は『ありません』 と答えた。
 『では、三人、頼んだぞ』
 今度の三人の返事はしっかりと返ってきた。
 言うべきことを言い終えたアンテウスは、部下の一人を連れてオロンテスのところへと出向いた。