『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第3章  踏み出す  99

2011-06-10 06:38:09 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『そうか、お前もそのように思うか。俺もそのように思っている。そのうえ、用材の運搬、集積もそれに対応するということか、判った。それがいい、仕事を進めていくうえでそれが最もいい、そのようにしよう』
 オロンテスは、パリヌルスとオキテスに意向を伝えた。聞いた二人はオロンテスの言い分に呼応した。
 『オロンテス、判った。お前が考えていることが、この場合、舟艇の建造に最もいい配置だ、お前の言うとおりだ。今日、改めて、縄張りを整える。オロンテス、ほかに何か要望があるか』
 『組み立て場については、申し分ありません。では、よろしくお願いします』
 『判った。それから、部材の切り出し加工の鋸、かんな等、他の道具類についての手配はどのようになっているのかな』
 『はい、それについては、リュウクス、セレストスの二人に準備するように申しつけてあります。縄張りが終わり次第、二人に現場を引き渡していただければ結構です』
 『よし、判った。間違いなく手配りする』
 打ち合わせは終わった。一同は持ち場へと歩を向けた。
 エノスのはま、砦の浜ともに、好天に恵まれ、人々の日常がそこにあった。
 砦にいる人員の約半数の者たちが、舟艇の建造の仕事にたずさわることとなった。