『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第3章  踏み出す  111 *スタジオンについて

2011-06-28 08:31:02 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『1スタジオン』とは、この時代の長さの単位です。
 大体、180メートル~190メートルの長さです。その距離は、約2分間に人が歩く距離だそうです。ときところによって、また時代によって、その長さは、まちまちだったそうです。
 2分間と言うのは、目で見える太陽の移動した距離なのです。
 それは、古代人たちが、地平線に朝の太陽が最初の光を見せたときに歩き始め、太陽がまさに、地平線を離れようとするまでに歩いた距離を平均して、『1スタジオン』としたのだそうです。
 しつらえた競技場を『スタジアム』と呼ぶのは、ギリシア時代にその競技場に『1スタジオン』の競走路が設けられたことによるのです。
 オリンピアのスタジアムは、紀元前450年頃に造られたもので、そこに造られた競走路は、192.3メートルあるそうです。
 192.3メートルは、その時代、当時の『1スタジオン』で造られています。

第3章  踏み出す  111

2011-06-28 07:10:16 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『おい、アミクス、最終点検を終えたか』
 『はい、終りました。全車、OKです』
 『よし、一番隊として、出発しろ!』
 『判りました。隊長、台車と台車の間隔について、隊長はどのように考えていますか。私は約1スタジオンに4台、要するに間隔は4分の1スタジオンで行こうと考えていますが』
 『うっう~ん、4分の1スタジオンか、それくらいがいいだろう。それでいってくれ。あとに続く隊も君の言うように、台車と台車の間隔を4分の1スタジオンでいく、では出発しろ。何度も言うが道中、注意を怠るな、気をつけて行け!』
 『では、出発します』 アミクスは先頭車に向かって大声で命令を下した。
 『先頭車っ!スタートだ、出発しろ!』
 アミクス隊は出発した。アンテウスは続いて、リナウス隊を点検した。入念にチエックを入れた。
 『リナウス、いいだろう。いつものお前とは違うな。念を入れた仕事をしたな。アミクスと打ち合わせたが台車と台車の間隔の取り方だが、4分の1スタジオンぐらいあけるのだ。判ったな。このあと、台車と台車の間隔を4分の1スタジオンを標準間隔として運搬作業を進める。お前もそのようにして道中を行け、お前が二番隊だ。よし出発しろ。気をつけて行け、無事を祈っている!』
 『隊長、もう頃合いです。出発します』
 リナウス隊は二番隊と言う位置づけで森を後にした。
 最後はアバス隊である。仕事は遅れがちだが一番安心のできる仕事ぶりの隊である。彼はアバス隊のいるアカテスの伐りだし場に来た。彼が着いたとき、最後の一本を積み終えたところであった。