『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第3章  踏み出す  106

2011-06-21 06:39:16 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『あ~、それから運搬のことだが、昼めしが終わったら運搬にかかる。日暮れまでに二回の運搬をやる。そして、明日の運搬は三回、それで運搬の業務は終える。各隊に言っておく、台車に用材を積むときは運搬の者たちに手を貸してやるのだ。それからだが、二回目の運搬隊が出発するとき、俺も彼らとともに浜に向かう。三人ともあとのことよろしく頼む。用材本数の集計は浜でやるから、その時、俺に報告してくれ。以上だ。さ~、これで昼めしだ。解散』
 打ち合わせは終わった。高く昇った太陽は南中に迫っていた。

 アンテウスは、ガヤガヤと近づいてくる足音と声を耳にした。アバスたちが帰ってきたらしい。彼はにわかつくりの道の真ん中に立っていた。アバスが近づいてくる。
 『あ~っ、隊長。道路の整備を終えて、只今、帰ってきました。台車は5台です。6台あったのですが、1台は途中で壊れました。なお、全員、無事の帰着です。以上』
 『おっ、よし、ご苦労であった』 と言って、アンテウスは空を仰いだ。頭上には南中した太陽がギラギラと輝いていた。
 彼は、大声をあげて、アミクスを呼んだ。
 『アミクスにアバス、めし時だ。皆で昼めしを食うぞ。飯を食べながら話す、集まって全員で食べる、いいな。二人は、その場を作れ。出来たら呼んでくれ』
 二人は疲れも見せず、部下を呼んで場造りに取り掛かった。皆が集まってきた。