『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第3章  踏み出す  103

2011-06-16 06:32:43 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『お~い、アミクス、どんな具合だ、順調にいっているか』
 『え~え、うまくいっています。しかし、あれですね。私は台車造りをとても気にしていたのですが、あれですね、案ずるより生むがやすいと言うことですね。皆がこんなに励んでくれるとは思ってもいませんでした』
 仕事に励む者たちの目がいきいきしていた。
 『ところで、アミクス、リュウクスを呼んでくれないか。打ち合わせておきたいことがある』
 アミクスは、リュウクスを大声で呼んだ。二人がアンテウスの前に立った。
 『おい二人、ところで仕事の進み具合はどうだ。俺は、台車が出来上がったら、直ちに運搬にかかろうかと思っている。日が暮れるまでに2回運搬をやりたい。二人の意向を聞きたい』
 アミクスが答えた。
 『隊長の希望をかなえます。やりましょう。台車が出来上がり次第、試したうえで直ぐに運搬にかかりましょう。私たちもその心算で仕事をしています』
 『リュウクス、お前の方はどんな具合だ』
 『私の方も、いけます。隊長の段取りに乗れます』
 『よしっ、判った。その手順で事を進める。二人ともいいな』
 『いいですとも』
 二人は口をそろえて答えを返した。
 アンテウスは、空を見上げ、太陽の位置を確かめた。陽はまだ南中していない高みにあった。彼は、これならいけると確信した。
 オロンテスがアンテウスらの仕事の場にやってきた。
 『お~お、アンテウス、ご苦労、ご苦労。台車造りの進む具合はどんな具合だ、うまく運んでいるか』
 『え~え、順調です。思いのほか進み具合が早く、もう終盤にかかっています。全台車、一斉に仕上がる予定です』
 『それは、重畳、重畳』
 オロンテスは、ヒザをうって喜んだ。