『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第3章  踏み出す  105

2011-06-20 06:46:02 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 オロンテスは、用材伐りだしの現場に帰ってきた。彼は思案していた。
 『こお~っと、一艇あたりに使用する用材の本数はどれほどあれば足りるか、この前にはじき出したあの数でいいのか』
 彼は、おおよそでありながら念をいれて考えた。
 『アンテウスが準備した台車の数が23台、運搬回数が5回、運搬する用材の総数が115本か、すると、一艇あたりの用材本数が38本か、いいだろう』
 彼は、自分のはじいた用材の勘定に納得した。
 『よしっ、アレテスたちを呼んで打ち合わせだ』 とひとりで決めて三人を呼び寄せた。
 『おう、君たちご苦労。どうだ、伐りだした用材の本数は何本だ。運搬と関連して、用材の本数を把握しておきたい。数えてきてくれ。数え終わったら、また、ここに集まってくれ』
 『判りました』 彼らは現場に引き返した。再び集まった三人は、伐りだした用材の本数の報告に及んだ。
 『おう、伐りだした用材の本数は?アレテス、お前のところは何本だ』
 『自分のところは、昨日から今までで、31本です』
 『つぎ、ギアス、お前のところは』
 『はい、私のところは、29本ですが』
 『つぎ、アカテス、お前のところだ』
 『え~え、私のところも29本です』
 オロンテスは、胸で数をはじいた。
 『判った。各隊、40本が目標だ。日没までに目標の本数を達成してくれ、いいな、頼むぞ』
 オロンテスは、自分が立てた計画本数の達成のめどに胸をなでおろした。